kurage

劇場のkurageのネタバレレビュー・内容・結末

劇場(2020年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

そこはかとなく昭和〜平成臭のする男女間のやりとり。
物語は、主人公のモノローグで進んでいく。

永田のような相手を支配し、壊すひとは壊しやすい相手を選ぶ選択眼に優れているのだと思う。
今の時代にこの内容は古臭くないかなと思ったけど、一番近い誰かを壊してカタルシスを得る構造は昭和〜平成から令和になっても変わらないのかもしれない。(今昔色々と画面内に混在していて、自分にはいつの話なのかがよくわからなかった)

不健康に傾く男女のラブストーリーの始まりは、きっとお母さんの荷物が届いたところから。
「俺、お母さんのこと、嫌いだわ」
永田演じる山崎賢人の、何を言い出すか、機嫌がわからない感じがちょっと怖い。作品内では主人公がDVに走らなくて良かったけど、実際はこういうところから始まるのかもしれない。その後、痛々しい共依存の二人のやりとりが続く。松岡茉優が演じるヒロイン、沙希が健気でよく泣いている。
ちょっと引いた目で見れば確かに純粋な二人のラブストーリーなのだが、永田だけが一連のことを表現に昇華して過去を美化?涙を流す沙希が劇場に残っているラストシーンに、ツッコミとモヤモヤだけが残ってしまった。
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