モラハラ自己愛男と空虚な恋人の話。
桜の木の下を自転車二人乗りで走り抜ける場面とラストのカタルシスがなければ超酷評で終わっていた気がする(自分的に)。
まあ、ラストも、「ああ、そっち・・・」と思う面が半分ですが。
伊藤沙莉大好きなんだけど、彼女の配役を見た瞬間、
「あ、なんか置きに行ってる・・・」と嫌な予感がした。
劇作家として夢を追う主人公が「成長しない」のはとにかく、
青森から上京してきた沙希にとっては出発店からが「マイナス」になりすぎてる気がして辛い。
芸達者な松岡茉優が青森出の純朴な女子大生を演じてる冒頭は確かに違和感があったが、
「いやいや、さすがに分かっててこう振る舞ってるんでしょ」
と笑いながら見られるところがまだマシ、
主人公の夢に付き合うことが自己目的化し壊れてしまう後半は
とても「壮絶な演技」などと思っていられなかった。
演劇的な構成や繰り返される主人公の独白から、
あくまで永田の視点だからこういう空虚で都合のいい女なんだろう、
と見ることもできるけど、だとしたらそういう「言い訳」としてメタ構造を使われること自体違和感。
(で、指摘してる酷いるけど、やっぱ原作がどうであれ独白や台詞で説明しすぎだな・・・)
「そういうとこだぞ」という。
結局主人公に才能がない、ということに尽きるんかい、という徒労感は「バードマン」をみた後に若干似てる。
本当の沙希にはもっといろんな何かがあって、これからも豊かな人生が待ってると信じたい。
あとは永田のキャラもよく分からない・・・
ある意味ステレオタイプでないというのは面白い、とくに性欲的な面が全然でてこないとこ（笑）
ただそれに代わる説得力はなくて、
「うーん、どんなにクズで訳わかんなくても、喧嘩して顔マジマジとみて山崎賢人みたいな綺麗なお顔だったら結局許しちゃうのかなあ」
としか思えず(爆)
