梅田

理性の梅田のレビュー・感想・評価

理性(2018年製作の映画)
3.7
ヒンドゥー教原理主義的な極右勢力の台頭する現代インドでのさまざまな社会運動をとらえた大作。影のテーマは「音楽」だと思う。ことさらに強調されることはないが、インド人たちが挙げるシュプレヒコールは体制側も反体制側も歌うように力強かった。ただし、お互いの融和を促すことは決してないエコーチェンバーな響きがなんとも複雑な余韻を残した。
全体的に「告発」という雰囲気もあり、こんなひどいことがあったんですよ!的な押し付けがましさもなくはないが、いやまあ、でも実際すごいし…と黙るしかない。
日本やアメリカ、イギリスなんかでも同じような主題で撮ることもできるだろうけど、宗教右派の強烈さはインドならでは。公然と暴力を肯定する権力者の衝撃。世界のどこにいても他人事じゃない。
梅田

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