第3逃亡者

インディアナ州モンロヴィアの第3逃亡者のレビュー・感想・評価

5.0
冒頭の完璧なショットの連続に興奮。無人ショットそのものの思わず息を呑んで見つめるしかないという感じがまるで小津みたいだ。酒屋で棚を眺めている客にたいして、さも彼らの目線の先であるかのように棚に置かれた酒瓶のショットを挿入しているのを見て、そんなのありえないだろうと思いつつも、わくわくする。こうした画面には、決してクレショフモンタージュには陥らずに、映画による虚構=画面の面白さだけを黙々と提示し続けるヒッチコックのような態度があると思う。覚えているのは、畜産農場、役場、学校、教会、床屋、ピザ屋、スーパー、酒屋、バイカーたち、動物病院、体育館、結婚式、重機のオークション、フリーメイソン、布団売り、タトゥー屋、鉄砲屋、浄水場、車のバーゲン、お墓。黒人が出てこなかった。