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光に生きる ロビー・ミューラーのleylaのレビュー・感想・評価

4.0
観たかったドキュメンタリー、至福の90分でした。
ジャームッシュ、ヴェンダース、トリアー監督作品を手掛けた、撮影監督ロビー・ミューラー。
「マスター・オブ・ライト」と呼ばれる光の達人。

彼はふだんからカメラを持ち、日常を撮影している。そのプライベード映像や監督や照明、編集などのスタッフや家族のインタビューで綴られています。

カメラ小僧がそのまま大きくなったような印象。いろんな撮影をしながら、最高の光を探求し、そこから作品へのヒントが生まれている。

子供と接する様子や親と電話する様子、留守電に残る監督たちからの言葉から、彼の人柄の良さもうかがえる。

本人いわく、ジャームッシュだけは脚本を読まなくても仕事を引き受けるのだとか。それぐらいお互いの信頼関係のある同志なんだと思いました。

ロビー・ミューラーの光と色と構図は格別です。個人的にジャームッシュが大好きで全作観てるけど、好きな順を上から挙げるとほぼロビー・ミューラーが携わったもの。いつもファーストショットから心を鷲づかみにされてしまう。

ヴェンダースとはたくさん組んでいて、ロビーがいなかったら全然違う印象の作品になってたんではないかな。彼のロードムービーはロビーがいたから生まれた。

ロビーがプライベートで撮った子供や犬、水の映像を見ているだけでも癒されました。何気ないのにセンスがあって美しい。

まだ観てない作品が山盛りなので、楽しみに観ていきたい。



📌MEMO

「彼の作品は光とカメラへの愛、光のイメージ」

「ロビーの映像は静かに愛を証言している」

『アメリカの友人』はエドワード・ホッパーを意識。映画ではなく、絵画や写真を参考にしている。

遠くにも近くにもピンが合うジオプターを使用。

「くすんだ光と曇りの日が好み」
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