まこと

死霊魂のまことのレビュー・感想・評価

死霊魂(2018年製作の映画)
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昨年filmarks内でちょっと話題になった映画に『サタンタンゴ』がある。上映時間438分とその長回しから観るものを試す映画だったけど、この映画はそれを更に上回る495分!(時間にして8時間ちょい)ちょっと何言ってるか分からない。これはもはや比叡山の千日回峰行。
思考回路はショート寸前。観終わった今、その長さと内容からたぶん人と会っても「あうあうあー」とか「かゆ…うま」とかそんな単語しか発せないと思う。

1950年代、中国は毛沢東が統治を始めた。
そこでは、ちょっと国や党に批判的なことを言おうもんなら再教育収容所に連れて行かれることになった。
再教育収容所と言えば聞こえは良いけど、要は奴隷にすること。
そして運悪くその頃、中国は史上稀に見る大飢饉が襲い、収容された人々は次々に餓死していくこととなった…。

これは8時間にわたるドキュメンタリー。
かろうして生き延びた人たちのインタビューが次々に映される。
第一部では、どんなひどいことがあったか。
第二部 では実際に現場に行く。
第三部では…。

飢えを凌ぐため雑草を煮たり作物の種を煮て食べることもあったそう。
"ひえ"の皮を煮て食べると重度の便秘になり棒を肛門から挿入し掻き出さないといけなかったって。
そして、亡くなって人を食べる者も当然現れ…。さも当たり前のように語られるカニバリズムにゾッとする。

しかし、我々に非難することができるだろうか。ワン·ビン監督はそう投げかけてくるようだった。




面白かったと聞かれると答えるのに困る『サタンタンゴ』だったけど、でも確かにあの寂れた街に鳴り響いた鐘の音は今も時々頭の中に残響している。
この映画も、要は延々とインタビューを流しているに過ぎないっちゃ過ぎないんだけど、あの時語られていたことが、ここで繋がるんだ…!という伏線の妙を感じられる。
石のことや豪の穴のことなど。

誰にでも勧められるものじゃないし、どうしたって時間もかかる。長丁場だから尻も痛い。だけど、我こそは!という人は是非挑戦してください。尻込みせず(尻だけに)