いずみ

雁の寺のいずみのネタバレレビュー・内容・結末

雁の寺(1962年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

やばすぎ。日本家屋内の撮り方がうますぎるやばすぎる。どうしたらこんなの撮れるんだ?奥ゆかしくもひしひしとしたジャパニーズホラーが漂う京都に変貌。変態和尚と魅惑の愛人若尾文子様扮する里子と、慈善の復讐。男を探す里子を俯瞰ショットで撮る。若尾文子と慈善の視線、顔。ラストには思わず笑ったがこれが川島雄三。後の癌の寺は復讐と化なんてされていなくて、現代風の京都に逆戻り?
中盤までほとんど話さず何を考えているかわからない慈善の怖さも、川島の演出の賜物だし、和尚が雨の中傘をさして歩く、折れる枝、大名行列のような葬式で、歩く遺族の足元。慈善が一度寝坊をし、二度とそんなことさせまいと慈善の手首に長いロープをかけ、引っ張られると慈善は和尚のもとに足早に向かう。渡り廊下にかけられたロープは恐ろしすぎるし、ロープが映画に非常に有効であると示しているし映画的。動く、揺れるロープ。しかし揺らしていたのは若尾文子の足。素晴らしすぎ。増村が動かす若尾文子とはまた違う、川島流の若尾文子の愛し方。
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