「混沌のなかに秩序をもたらすのが科学者の職務だ」
1862年、ヴィクトリア朝時代のロンドンで、気象学者ジェームズと気球操縦士アメリアが世界高度記録と予測不可能とされていた気象予報の未来に向け命をかけて空へ挑む、。
実話をベースにかなりの脚色を施した作品ではありますが、約150年も前に未知なる大空へ気球に身を託し挑んだ者達がいることは事実。時は流れどいつの時代も命をかけて信念持ち突出した行動を起こせる者達により時代は進化してきました。(フロンティアスピリッツというやつだ!)
空の神秘さ、壮大さ、自然の美しさ、怖さが伝わる圧巻の臨場感ある映像。福音のような虹彩、罪人を打擲するような積乱雲による嵐、氷結へ誘う雪、花のように舞う蝶々、高度が上昇するごとに空は四季のように色を変える。
気象学者ジェームズをエディ・レッドメイン、気球操縦士アメリアをフェリシティ・ジョーンズが演じる。「博士と彼女のセオリー」で共演した2人ですが、"ファンタスティック・ビースト"であり、"ローグ・ワン"であるトップ役者陣だけあって、ほぼ狭い気球の中で展開する2人芝居的要素のある物語ですが、流石に実力も華もあるのでまったく問題なく物語の世界へ飛行させてくれます。
空により高く昇っていくには、できるだけ機体を軽くしていかなければならないが、気象学者ジェームズと気球操縦士アメリアではその人生観と価値観の違いから命に関わる取捨選択の違いを生み、2人は遥か上空で窮地に落ちいります。また、前人未踏の高度の空から地上に帰ってこなければならず、凍傷・低酸素・気球の破損が襲います。
"行って帰ってくる物語"シリーズに何故ゆえにこれほどの感情を揺るがされるのか。
傍観者はその行動力に心奪われるのだ。
思わず晴れた空を見上げたくなる快作
・ヴィクトリア朝時代の舞台美術・衣装も何気に素晴らしいんだけど、やっぱり映像が良い。自分はアマプラに加入していないので映画館で観たのですが、大スクリーンで観たからこそのこのスコアと思います。