まえじま

Mank/マンクのまえじまのレビュー・感想・評価

Mank/マンク(2020年製作の映画)
3.8
2020年169本目。

これはまたすごい映画に出会ってしまった。

Netflix映画だけど家で観たら絶対後悔する。
なぜなら情報量がえげつないから。
マシンガントークが続いた中盤一瞬睡魔に襲われたらストーリーに置いていかれる。
回想シーンと執筆シーンが同時に展開されるため、頭の切り替えも速くないとだいぶキツい一作。映画館という周りに邪魔が無い空間じゃないと絶対理解できない。

そして予備知識も無いとこの映画はダメ。
ハーストの人生や「市民ケーン」公開時の騒動は抑えとかないと映画内では語られない空白の部分を埋められないと思う。

それを踏まえた上でこの映画は素晴らしかった。
この時代になぜ鬼才フィンチャーがこの題材で撮りたかったかが理解できた。

132分モノクロ。序盤からフィンチャーの古き良きハリウッドへの愛と同時に今の映画業界へのヘイトも感じ取れた。

マンクとフィンチャーは通ずるものがあると思った。

「人の一生を描くのは2時間では足らない。だが、人の一生を観たように思わせることは可能である。」

この言葉を実現化させたマンクとフィンチャーに拍手。
まえじま

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