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Mank/マンクのkanappeのレビュー・感想・評価

Mank/マンク(2020年製作の映画)
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映画って実はまだ誕生して100年ちょいしか経っていないメディアなんですよね。その歴史の中で最高峰と呼ばれる「市民ケーン」の脚本家マンキウィッツを描いたドロドロドラマ。
面白いかと聞かれたら正直微妙で、率直な感想だと「難しい」が出てくるんだけど、間違いなく見るべき作品。

1941年公開の「市民ケーン」がいまだに多くの名作映画ランキングで位置を獲得している「名作オブ名作」であり続ける理由、それはアメリカンドリームを成し遂げた新聞王の栄光と孤独を描いた作品だったから。そして実際にモデルになった人物が存在するから。
「マンク」ではモデルになった新聞王ハーストを初めとし、多くの映画製作会社の主要人物が登場。改装形式で出来事が明かされていく様子は「市民ケーン」へのリスペクトか。
政治ドラマとかと似てて、多くの策略と人間が行き交うから、映画好きの為の映画だと心底感じた。「市民ケーン」は予習必須だけど、諸々の映画史を予習しておく必要があるし、それだけの価値があると思う。
今「マンク」が制作される理由は、トランプ大統領のような金と地位を手に入れた男が世界を圧倒し、そして堕落していく世相を反映させている気がする。
現代版「市民ケーン」を批判する立ち位置として、本作は存在するのではないかと思うのです。
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