のほほんさん

Mr.&Ms.スティーラーののほほんさんのネタバレレビュー・内容・結末

Mr.&Ms.スティーラー(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

なんかを思い出すタイトルと、イケメンと妖艶な美女のコンビ。
そのまんま泥棒のお話なんだけど、大胆かつ用意周到、ムダがなくお洒落な盗みっぷりが見ていてなんとも面白い。主役の2人が出会うのは素人マジシャンのネタに付き合わされたのがキッカケだが、盗みの鮮やかさと似た境遇にある2人の出会いをマジックが暗示していて素敵。

2人の会話も終始ウィットに富んでいて面白い。ヒロインの方はその色気全開の魅力をたっぷり振りまいて主人公をも翻弄しそうなんだけど、思いのほか素直に仲間になる。

「ジェッツが勝った」が仕事完了の合い言葉だったりボスの用心棒が実は双子だったりとか、小ネタも面白い。
何より面白いのは、双極性障害を持ち薬物中毒という設定からして足を引っ張りそうな兄貴が、尾行中のFBIに真っ先に気づいたり家探しを弟に忠告したりと、何かと役に立っていたところ。ヒロインが本当に仲間になったのは、この兄貴と遭遇してからの気がする。

主人公が泥棒をしてたのはボスの元でなんかしでかした親父の尻拭いの為になんだけど、最後には3人組で面白い泥棒稼業を続けるのであろうことが示唆されていて面白い。FBIから逃れる手口も鮮やか。

ヒロインが裏切ったり兄貴が足を引っ張ったりとか、予想された災難が主人公を襲わないのが意外というか、捻らないの?という感じはあり、スリルという点では物足りないし設定を活かしきっていない気もするのだが、嫌味にならない洒落た雰囲気の中で進む物語はそれだけで十分楽しめた。