<概説>
12人の男女は訳もわからないまま人間狩りの標的となる。彼等を拉致した真犯人とは何者なのか。そして彼等を一見無作為に標的として選出した真意は。2020年ハリウッド最大の問題作と言われたアクションスリラー。
<感想>
ヒラリー・スワンクつよい！すごい！かっこいい！
そんな脳味噌空っぽで楽しめるいいエンタメでした。
が、政治的作品としては、まあ、賛否両論。
やっぱり今のポリコレ観からはこういう作品も出ます。
一般化された権力・正当性は濫用がしやすいだけに、その濫用が目につくようになればカウンター作品が出るのは当然。
まして最近のレイシズム・セクシズムはいよいよ対立が深刻ですから、ある意味分かりやすいこの作品は、支持/炎上しやすい作品だったのかなと。あと風刺がわかりやすいのは一般娯楽向きでもありますね。
ただもし本格的にアンチ・ラディカルポリコレを目指すのであれば、そもそも主人公の性別選択からミスしている気が。
男性主人公=製作陣の支配的男性思想の象徴=悪
と一部がバッシングする気風は昨今無視できるものではありませんのに、無視してしまっているあたりなんとも。別に男性主人公にしろと言いませんけれど、ダブル男女主人公とかでも出来ましたでしょうに。
製作陣は本当に政治的風潮を皮肉ろうとしているのか。
いくら考えてみても実に悩ましいです。
