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スペース・プレイヤーズのumisodachiのレビュー・感想・評価

スペース・プレイヤーズ(2021年製作の映画)
3.4
ちょっと前に観た作品。

マイケル・ジョーダンとルーニー・テューンズのキャラクターが共演した『スペース・ジャム』から四半世紀。今度はロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズが仮想世界で映画のキャラクターたちと共演する。字幕版も公開されていたので夏休みに入った息子と鑑賞。

少年時代、バスケに集中するならゲームは無駄だ!と言われてきたレブロンはバスケ界のスーパースターになっていた。しかし、次男のドムはバスケよりもゲームに夢中。小6にして自分でゲームをつくってしまうほどだったが、レブロンにはその価値が理解できない。ある日、レブロンとドムはワーナーブラザーズ本社に呼ばれて新しいソフトウェアのプレゼンを受ける。AIによる壮大な仮想世界にドムは強く興味を惹かれるが、レブロンは協力を却下。父子間に深刻なムードが流れる。その機に乗じて、レブロンの力を狙う仮想世界を支配するAI・AI-Gは2人を仮想世界に閉じ込め、父親の目の前から息子を隠してしまう。「仮想世界にいるワーナーブラザーズのキャラクターと組んでバスケの試合に勝つことができれば、息子を返して元の世界に戻してやる」と言われたレブロンは……。

実写、2Dアニメ、3Dアニメとクルクル変わる映像表現が面白く、ルーニー・テューンズのキャラだけでなく大量にワーナーの映画キャラクターが出てくるのが楽しい。スクリーンの隅々まで宝探しのように見てしまう映画ファンに嬉しい作品。

軸となる父と子の物語はオーソドックスで、穿ったところはひとつもない。自分には理解できない夢を持った子どもを応援できるかどうか。自分がやりたいことを偉大な父親にしっかりと主張できるかどうか。古今東西何度も繰り返されてきた父子の葛藤が、仮想空間を舞台に丁寧に綴られていく。

レブロン・ジョーンズは初々しくも誠実な演技で好感度高。スティーブン・ユアンなどビッグネームがちょこちょこ出演していたり、声優もゼンデイヤなど豪華。敵役・AI-Gを演じるドン・チードルも生き生きとした怪演で、心から楽しんでいるように見えた。

頻出するジョークにはくだらなすぎるものもあったが、そこはご愛敬。こういうお祭りっぽい作品は難しいことを考えずに楽しむのが正解だろう。日本でも8月に公開されるのかな?バスケ好きはもちろん、映画ファンも小ネタを楽しめるファミリー映画に仕上がっていた。

それにしても、入り口で「ルーニー・テューンズキャラのぬいぐるみも売店で買えるよ!」とわざわざ言われたおかげで、トィーティーのぬいぐるみを買わされるはめに……家の中がぬいぐるみで溢れていく……。









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