shun

シャン・チー/テン・リングスの伝説のshunのレビュー・感想・評価

3.5
個人的には最初の10分がピークでしたがそれでも安定して楽しめるマーベル映画と言う感じ

コレオグラフィー(殺陣)と映像視覚効果がとにかく素晴らしい
アクションシーンについてはマーベル過去作含めて一番じゃないかな

ものすごくスピードが速いけど一つ一つの動きがちゃんと分かるし1カットが長めのシーンも多い。主人公はヒーローですがマスクをしていないのでほとんどのスタントを自分で行ったらしいです

一番最初のお父さんとお母さんの初対面シーンが一番印象に残ってる。
あの幻想的な空間で繰り広げられる華麗な闘いから一瞬も目を離すまいと釘付けでした。
お母さん役のファラ・チェンが美しかった。演じるキャラクターも心と体の強さがオーラで感じられる魅力的な女性でもっと見たかったなあ。中盤で過去が明かされるシーンでもアクションが見れるのか?と思ったのだけどそのシーンは飛ばされちゃってて残念

高校時代からの親友ケイティ役はオークワフィナ。
この人のコメディスタイルがこの映画にぴったりだなと思った。
結構シリアスでお堅い場面でふざけて気まずい笑いが起きちゃう感じ。
今までのマーベル作品だと大体ちょこっと会話の中で笑いが生まれるくらいか「アントマン」や「ガーディアンズ〜」でのガッツリコメディって印象でしたが、今作ではケイティの発言を中心として笑いが生まれていくのが新鮮。
基本みんな真剣なんだけどふと冷静になったときに「いやこんなんありえないでしょ!」っていう一般人目線で発言してくれる感じが好きです

あとは妹はこれからが楽しみですね。女優さんの顔そんな好みじゃないけどとにかくかっこよすぎて途中からもっと出てくれー!って思ってました

映像技術とアクションの振り付けはマーベルでもトップクラスなんだけどストーリーはまあだいたい途中から予想ができる感じ。
他のMCU登場人物はちょうどいい感じの具合です。
最後の戦いについてはもう水しぶきと巨大生物でワチャワチャして何がなんだか
分からなくなっちゃいました。
なので一番最初の1対1のシンプルな男と女のぶつかり合いがより魅力的に感じられてしまったかな


ここからちょっとネタバレです

ベン・キングズレー演じるイギリス出身の俳優、トレヴァースラッタリーの登場はとても嬉しかった。
2013の「アイアンマン3」と2014の短編以来です。
これは監督が言っていたことだけどこの映画における彼の登場とストーリーはこれまでの人種的にステレオタイプ化されて描かれてきたマンダリンというキャラクターへの謝罪でもあるらしい。
7年ぶりの登場ですがもうちょっとストーリーに関わってもよかったんじゃないかな?モーリスとの友情がから好きなので今後も出てくることを祈ります。

ポストクレジットシーン!最高でした
正直あそこにいくまでは最初に登場したときから妹が今後MCUにおいてどんな立ち位置になるのか心配だった。
この映画の主人公はシャンチーだし当然アベンジャーズに入るのは想像がつく。妹が彼と違うのは
「女性であり数年生まれたのが遅い」
という部分
父親の方針で「女性だから」という理由で訓練は受けさせてもらえず、当然輪っかの継承も兄がする。
経験値や映画開始時の実力で言うと圧倒的に妹の方が上なのに、「男で年上」であるシャンチーが父のあとを継ぎアベンジャーズに入る、というのはどうしても納得がいかなかった。
ただその不安はあの最後のシーンが全部では無くともほぼ吹き飛ばしてくれました。
輪っかこそ兄の腕に渡ったものの自分は父親のもう一つの遺産である組織「テンリングス」のトップに君臨することに。

父亡き今、男優先の古い文化は捨て圧倒的な実力と血筋を武器にトップに座る彼女の今後が楽しみで仕方がない。「マンダロリアン」シーズン2の最後のボバフェットを彷彿させるカメラワークとSwan Songが最高です。
しっかりと男性と同じ数だけ女性の構成員がいるのもグッと来た
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