評判は目にしていたけど、想像以上に面白かった。往年のツイ・ハーク作品に於ける、操演を駆使した奇想天外なアクションシーンを思わせるルック。主演のシム・リウが地味目だったので、心配していたけど杞憂だった様だ。
アメリカナイズされたアジア像には違いないけど、全体的にリスペクトも感じさせる作り。何より他のMCUメンバーじゃ、到底堂々と出来ないカンフーに基づいた肉弾アクションを、これでもかと見せつけてくれたのは、新鮮で楽しかった。
MCUメンバーも、本編の邪魔にならない程度に絡んできて、今後の展開が楽しみ。
そして、話題になっているシャーリンの髪色問題は……正直、こういった表現が問題視されているという事を把握してなかったので、違和感しかない。
黒髪より当初の予定だったと言う下地に赤髪の方が、別な場所に在っても、心の底ではター・ローに魂がある、そのイメージカラーに染めてる、と言う解釈も出来て、深みがあったんじゃないかな、とかも思ったり。
そもそもはアジア人と言うだけで、国の個性も見ずに黒髪パッツンに表現した事の方が、ステレオタイプだったわけで。それに個性を加えたメッシュは実際、米国のアジア人女子の間でも流行っていると聞くし、これを多用されているからと闇雲に忌避するのは、キャンセルカルチャーじゃないかなぁ、と。作品の質として、いつまで同じ事をしているんだ、という批判ならまだ分かるんだけど……。メンガ・チャン自身からの直談判で変更されたと言う事で、彼女なりに実感する事があるのかも知れないが、まだ少しモヤッとしてる。
