リコリス

シャン・チー/テン・リングスの伝説のリコリスのレビュー・感想・評価

4.3
トニーとカンフーを大画面で見たかったから、何も文句はありません。トニーの使い方(哀愁表情や永遠の青年感)を熟知してるし、ヨー姐さんまで眼福。

個人的にはトニーと母さん出会い(愛!)の戦い、ヨー姐さんとシャン・チー風の流れる戦い、トニーとシャン・チーのリング伝承の戦いだけでも、お腹一杯です。

ワタシのような方々も多そうなので、マーベル枠外でも良いから、ウェン・リー誕生篇とか、やって欲しい。(「ネバーエンディング…」を連想した方々も多そうで、マーベル年齢層の広がりが嬉しい)

ストーリーはザックリ最愛の人のために(最愛の人自身も)力を封じたせいで、その人を失った。では、再び力に訴え悲しみを晴らすか、復讐心を捨て暴力を飼いならすか。
更に、幽閉した暴力的な心を開放して自分が呑まれるか、復讐に向かう心自体を倒して乗り越えるか。

中華圏や文化的影響を受けたアジア人には、荒唐無稽なストーリーの細部が何だか嬉しい。マカオの戦いから母の村での「あの」バトル。村には麒麟やら鳳凰やら九尾狐やらヘチやらが。

更に登場人物が他のマーベルに比べ、血縁や文化(本当の名前の意味とか)深く背負っていてアジア的なアイデンティティ。

バスの戦闘が乗客から配信されたり、ケイティの自宅がチャイナタウンで華僑らしかったりの現実世界と、アレが出てくる村が実にスムーズに繋がり、違和感がないのも良かった。

シャンチーは思春期がカッコ良すぎ、なぜ成人すると、ちょっと寅さん顔に…ですが、そこは妹がカバー(笑)。ケイティとの関係や、そこらのあんちゃん風なのも良い。中の人発言で大陸公開が微妙らしいが、見て欲しいな。アジア人の一員としては。
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