たにたに

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのたにたにのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

【ワカンダフォーエバー】2022年154本目

チャドウィックボーズマン亡き、ブラックパンサー続編としては最大の出来だと思います。オープニングからエンディングまで彼に対するリスペクトがひしひしと伝わってきました。

どこか感じる虚無感。
あぁ彼はいないんだな、と。
なんだけれども、
残されたキャスト陣も、我々観客も次の一歩を踏み出さなければならない。

ブラックパンサーが存在しない"ワカンダ"国内に広がる不安。
未知な国に対する各国の不信感。
変えるには、誰かがワカンダを引っ張っていかなければならない。でも、それは生半可な気持ちじゃ務まらないし、"正解"が一体何なのかなんてハッキリしない。
だからこそシュリの計り知れない思いを込めた成長物語として、本作には賞賛の拍手を送りたいのである。


ラモンダの国王としての威厳と態度は素晴らしかった。夫を失い、息子を失い。
挙げ句の果てに、娘シュリまでもがネイモアに連れてかれてしまう。
オコエに対する怒りも混じる悲しみの叫びは、迫真の演技もあって印象深いシーンである。

ラモンダの死があって、そしてエンドクレジットではティチャラの息子が登場した。
彼女自身は、それを知っていたわけだし、早すぎる死とは言え、次世代への意志の継承を彼女はやり遂げたのだと思う。きっと、リリ・ウィリアムズにも何かを感じていたのかもしれない。

今回の敵となるネイモアの戦闘シーンも、スピード感があって豊かでした。
水の中では、もしかしたら最強かもしれません。彼らが住む海底都市の映像美も素晴らしかった。確かに、アバター新作予告と比べると、その神秘さは劣るかもしれませんが、シュリが海底洞窟に進んでいくシーンはその映像に感動を覚えた。

シュリがハーブを口にして、キルモンガーが登場。目の前で殺された母親。ネイモアへの復讐心は彼女を追い詰めていた。
それでも彼女は自我をコントロールできた。偉大なことである。

最後海岸で喪服を燃やすシーンでは、様々な場面を思い出し涙を流す。これは演技でなく本当の涙だったと思う。

心が洗われた。そんな気がした。
たにたに

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