Yu

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのYuのネタバレレビュー・内容・結末

-

このレビューはネタバレを含みます

演者、スタッフ、観客みんなで悲しみを共有し、喪服を燃やすまでの映画。

公開初日に鑑賞しました。

感無量。
主演不在をバネに『国とはなにか、王とはなにか』を描き切った全関係者に、最大の敬意を表します。

チャドウィックもといティチャラの鎮魂映画としては数億満点です。


と同時に、、、、
ラストのエンドクレジット酷すぎませんか!?

全編通してティチャラの弔いと、シュリの悲しみと葛藤を描いた後に、ティチャラの隠された息子を出す必要性。


え、今まで苦悩していたシュリはなんだったの。。。
1人で死と向き合い、国を思いブラックパンサーを継承するために、亡き母と兄に想いを寄せてハーブを作ったのに。ハーブを飲んでも会えなかったのは本当の継承者が別にいたからって事ですか?(穿った解釈)

ティチャラだって、キルモンガーの存在を自分の父に隠されて悲しい思いをしていたはずではないんですか。。何故妹に同じことを。。1作目の葛藤はどこへ。。。?

こんなにもシュリの苦悩を丁寧に描写している作品だからこそ、結局血統主義に落ち着くあの終わり方は腑に落ちないです。
憎しみの連鎖を止めてネイモアを助け、喪服を燃やして思い出と共に生きる事を決めた彼女が可哀想すぎる。

それにそもそも王を継ぐ重圧が可哀想でハイチに住まわせるのならば、名前も変えてあげるべきでしょう。ティチャラて。バレるわ。

今後、シュリではなくティチャラジュニアがパンサーを引き継ぐ事になったら、次は私がネイモアと共にワカンダ襲撃に行きます冗談じゃない。
その展開は第2のキルモンガー爆誕コースでは??余計な心配しすぎ??

ひとりぼっちになってしまったシュリに、新しい家族が出来たことを喜ぶべきなんでしょうが、どうしても手放しには賞賛出来ませんでした。。。。



その他気が付いたこと羅列。(まだ続くんかい)

オコエがカッコ良すぎる。終始爆イケ過ぎる。リリを偵察に行った時の、余裕ぶっこいてる振る舞いが好きすぎます。もうオコエがいればパンサーいらなくない?
新スーツの名前が『ミッドナイトエンジェル』と聞かされた時の彼女の顔が忘れられません最高。
しれっとウカビが生きていることがわかったので、今後登場して欲しいです。

またカッコ良すぎると言えば、エムバク様ですね。今作一脳筋でありながら、今作一冷静で包容力がある頼れる男。リーダーの素質しかない。
色んなキャラがやれ誰の息子だ、誰の娘だと自己紹介する中、彼だけなんですよ、『ワカンダの息子』だと名乗るのは。
思えば前作から血統主義のワカンダの世襲制に挑戦的でしたし、ラストの決闘?は不戦勝でエムバク王政幕開けということで良いですか??


キルモンガーの再登場、思わず息を呑みました。
復讐のため世界を燃やしたい少年と、喪失のあまり世界を燃やしたい少女。
同じ怒りを持つ彼が現れるからこそ、“シュリがどうなりたいのか”という決断が真に迫っていました。
キルモンガーが、復讐と怒りの権化としての登場だったのも良かった。それでこそヴィランですよね。
彼が喪服を着ていたのは、ラモンダ様やティチャラへの敬意の表れだったりするのかな。。。白い喪服美しい。

ネイモアとタロカン。
マヤ文明を色濃く想起させる描写が多く、詳しく勉強したくなりました。
タロカンの国や民をもっと見てみたいな〜〜。
正直国の美しさより、コントラストが弱く画面が見にくいことの方が気になりました。

初登場リリ。アイアンマン擬1体目→2体目のクオリティ差ヤバすぎる。トニーより優秀では?
メカメカしいことよりも、合成感が拭えないことの方が気になったのはモデリングの問題でしょうか。

ロスの登場は物足りなかったなあ。
元嫁を描きたいがための噛ませにしか思えませんでした。
あの車絶対盗聴されてるよ〜て思ってたら案の定で笑いました。
もうアメリカには住めないでしょうし、今後はお尋ね者でワカンダ永住の流れですかね。


『死は終わりではなく、死者はそよ風の中にいる』という祈りと願い。
悲しみを乗り越えるのではなく、悲しみに寄り添ってくれる温かい映画だったなと思います。シュリと共に喪服を燃やせた気がします。製作してくれて本当にありがとうございました。
Yu

Yu