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巴里の屋根の下のkazu1961のレビュー・感想・評価

巴里の屋根の下(1930年製作の映画)
3.5
▪️JPTitle :「巴里の屋根の下」
ORTitle:「Under the Roofs of Paris Sous les Toits des Paris」
▪️First Release Year : 1930
▪️JP Release Date : 1931/05/31
▪️Production Country : フランス
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record : 2022-069 再鑑賞
🕰Running Time : 90分
▪️Director : ルネ・クレール
▪️Writer : ルネ・クレール
▪️MusicD : ラウール・モレッティ、アルマン・ベルナール
▪️Cast : アルベール・プレジャン、ポーラ・イレリ、ガストン・モド、エドモン・T・グレヴィル
▪️Review
ルネ・クレールらしくパリの下町情緒を叙情的に描き出した作品ですね!!
本作がトーキー初のルネ・クレール。トーキー初ならでは試行錯誤のトライアルが多くあってそれを観るのが楽しい作品。
まだサイレントの部分を残して台詞はほんと最小限。常に歌かメロディーが流れていてただ音楽のみのシーンが多い。それでも会話が伝わってくるし、その時の想いも伝わってくるから不思議な感覚です。とっても新鮮、「詩的リアリズム」の出発点と評されているんですね。
そして映画が封切られる前から大ヒットしたラウール・モレッティ作曲のシャンソン『巴里の屋根の下』が何度も流れてとても印象に残ります。

撮影は撮影所にパリの街並みをロシア人のラザール・メールソンが再現して行われました。空間のパースペクティブが奇妙にゆがみ、建物がわずかに不思議な傾斜をしている現実と非現実の微妙なバランスから生まれる美の感覚こそがリアリズムだといわれています。(参考:Wikipedia)

物語は。。。
パリの下町で仕事をしているアルベールは、美女ポーラと出会い一目惚れ。ポーラは街の顔役フレッドに惹かれましたが、フレッドに愛人がいると知り失望し、アルベールの家に居候するようになります。アルベールはポーラに夢中になりますが、知人の罪を被せられ留置されている間にポーラとアルベールの親友ルイが恋仲になって。。。

ストーリーはなんだか。。。って感じですが(中心となる女性ポーラの変わり身の速さが鼻につきます)、トーキー初期ならではのトライアルや下町情緒ある映像、そして主題歌は見応えありの作品です!!

▪️Overview
「幕間」「イタリアの麦藁帽子」「二人の臆病男」の監督者としてフランス映画界に於て最も注目されているルネ・クレール氏の第一回全発声作品で、氏自ら原作脚色台詞を執筆したものである。キャメラは「燈台守」のジョルジュ・ペリナール氏がローレエ氏を助手としてクランクし、前衛派のジョルジュ・ラコンブ氏がマルセル・カルネ氏、ウッサン氏、ド・シャーク氏と共に助監督をつとめている。主役は「ヴェルダン 歴史の幻想」のアルベール・プレジャン氏が演じ新進のポーラ・イレリー嬢、「カルメン(1926)」「東洋の秘密」のガストン・モド氏が助演し、エドモンド・グレヴィル氏、ビル・ボケッツ氏、ポール・オリヴィエ氏等も出演している。台詞はフランス語である。
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