Kyasarin

夕陽のあとのKyasarinのネタバレレビュー・内容・結末

夕陽のあと(2019年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

試写会にて鑑賞。
元々観たかった作品だったのでとても楽しみにしていた。
山田真歩さんのお芝居に期待して観ました。期待通りの素晴らしい自然なお芝居でした。貫地谷しほりさんはお顔立ちが美し過ぎてまだナチュラルメイクだったら良かったかな、メイクしっかりだったのでお顔立ちに気を取られてなかなか心情が入って来ない(個人的意見です)
木内みどりさん、0.5ミリの火事のおじいちゃんの娘か!!めちゃくちゃ好きなお芝居です。好きです。
鹿児島の方言が果たしてネイティヴなのか否かは果たして分からないけど、皆さん方言お上手だなと言う印象。地方の景色も郷土の太鼓も素敵。

子役の子もたまに台詞言わされてる感あるけどそれも気にならなくなる程に表情が上手い。

養子縁組を巡るお話なんだけど、私は小さな恋人を取り合う女たちの闘いの様にも感じられた。嫉妬するし、繋がって居たことについて激怒する。ましてやストーカー。アンタ、わたしの男勝手に取らないでよ!泥棒猫!!みたいな(笑)不思議な事に父親はそこまで執着しないんだなぁ、、それは母だから、女だから。果たして自分の子供ではない子をずっと優しく愛せるだろうか、と考えてしまった。養子縁組をした家族はとても暖かく、愛そのものの世界。嫁姑も仲が良く、地域の人達とも上手くやれている。とてもとても愛されているのが印象的。それに比べて生みの親の女性はとても孤独で新しい恋に進む事も出来ず。。もう子宮を取ってしまったとか子供が出来ないとかじゃなければ新しい人と巡り逢って次の子供を産めば良いのでは?とか思ったりしたけれど、自分の子供への執着心、母だった自分への執着心かなと。生後3ヶ月であの玩具はまだ早いかな?(笑)と思ったけれど(笑)最後のまとめ方はそうまとめないと2時間弱ではまとまらなかったからかな?現実の人からしてみたら結構綺麗事な気もするけれど。個人的には弟と結婚して新しい赤ちゃん産めば良くね?と安易に思ってしまったり。
でもわたしも子供を持つ母親としてとてもとても考えさせられた。毎日毎日怒ったり感情をぶつけたりして居る中で、急にその子供をくださいと言う人が現れたら??もし取り違えで自分の子供ではなかったら今の子供を愛せるのかとか。血に拘る人と血には拘らないで家族を愛する人たち。とてもその問題は難しいのかもしれない。子供が欲しくて欲しくて母親に成りたい、女だから。事情があって母親になったけど諦めた人、女なのに。産むことだけが全てではないけれど、お互いの言い分の表現に考えさせられた。特に山田真歩さんの記録を見てからの表情。ああ、わたしは負けてしまったのだと言う、敗北の表情。血としては敗北かもしれないけれど、愛では負けない、今までの思い出では負けない、ということなんだろうなぁ…つらい。
とにかく、山田真歩さんと木内みどりさんの表情が物凄く良いです。好きなシーンもたくさんあります。キャンプ行ってる時にデートしてる時の山田真歩さんがとても色っぽい。言葉しか交わしてないし手を重ねただけだけどあそこは濡れ場と言ってもよいくらいです(笑)
とにかく、あの家族が街中で変な噂立てられずに彼が無事に育ちますようにと祈らずには居られない。
Kyasarin

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