Jimmy09

海辺の映画館―キネマの玉手箱のJimmy09のレビュー・感想・評価

5.0
大林宣彦監督が20年ぶりに尾道で撮影した映画、本来の本作公開日(2020年4月10日)に大林監督は逝去されて遺作となった。
前作『花筐 HANAGATAMI』(2017年12月下旬公開)の翌年に撮影された本作、待ちに待った映画であった。
本来であれば初日に観たかったが、最近は初日が金曜日であり、本作3時間あるので金曜日の会社帰りに観たら終電間に合わないので、公開2日目の土曜日朝一番の回で鑑賞。
ただ、昨日、東京都コロナ感染者が463人の最多更新、本作公開劇場がTOHOシネマズ新宿(歌舞伎町にある)なので、コロナ感染は気になったものの已む無し…(笑)

本作は、観始めて少し戸惑う作風であり、この映画が映す時代も宇宙旅行する未来、海辺の映画館が閉館を迎える現代、日本での新選組や第二次世界大戦中の広島などの時代、満州などの世界における戦争時代など、時空を自由自在に行ったり来たりする映画であった。
本作の中で「映画こそが最先端のタイムマシンです」と発言させている通り、大林監督が自由自在にご自身の記憶・史実を織り交ぜて描いた円熟の境地。

物語としては、ついに閉館を迎えた「瀬戸内シネマ」という映画館の最終プログラムは「戦争映画大特集」のオールナイト上映であり、そこに集まる観客たち、そしてスクリーンの中に入っていってしまう人達などを描き、さまざまな風景を描いているものの、本作に一貫しているのは「反戦のこころ」。
さすが大林監督である。

確かに、ファンタジーとノスタルジーそして反戦、素晴らしい融合のさせ方だった。
戦争、特に広島を描いた時の「ピカで亡くなった人」・「ドンまで聞いた人」…こうした話を映画で描いた監督は、大林監督が最初ではないだろうか!✨
これからは、大林宣彦監督が遺された作品群を大切にしながら、また観たい映画たち…心してリピート鑑賞していきたい、と思う(^_^)

大林監督の遺作にして傑作!
何度でも観たくなる、そして本作について誰かと話をしたくなる…そんな素晴らしい映画を遺して大林監督は逝去された。
ここに改めて、謹んでご冥福をお祈りします。

<映倫No.121753>