海辺の映画館―キネマの玉手箱の作品情報・感想・評価

海辺の映画館―キネマの玉手箱2019年製作の映画)

上映日:2020年07月31日

製作国:

上映時間:179分

4.0

あらすじ

「海辺の映画館―キネマの玉手箱」に投稿された感想・評価

なばな

なばなの感想・評価

3.8
雨のシーンが印象的。大林監督の頭の中に入ったようなスクリーンの中の観客になった不思議な体験。
未来をハッピーエンドにするために考えてみます。
haru

haruの感想・評価

2.5
TAMA映画賞授賞式にて
メッセージがつまっとったーーー
TAMA映画賞で最優秀作品賞になったとのことだが、これは納得の作品。

まず映像自体は最近の大箱系の邦画、洋画に馴染んだ人などからは、安っぽいなどといった批判がきっと飛んでくる映画だろうと思うが、この映像、演出があってこそ、より効果的に監督の伝えたかったことが強烈に心に打ち込まれたのだと思う。

戦争映画は洋、邦関わらず結構多く観てきているが、驚くことにこの映画が一番気持ちを抉り取られた戦争映画となった。

多くの素晴らしい俳優が出演しているが特に笹野高史、非常に醜い人間性を露出させた役であったが本当に名演だった。
尚明

尚明の感想・評価

1.0
ただ疲れてしまった 伝えたいことは分かるが3時間も執拗に追い込んでくるゲルニカ…お腹いっぱいです
TAMA映画祭でラストレターと並び最優秀作品賞を受賞した作品とのことで上映があり鑑賞。自身にとって初の大林宣彦監督作品。自分の好みじゃなかったけどインパクトが凄かった。冒頭からCMみたいな映像で、文語的な表現?に戸惑いついて行けなくなってしまった。こんな変わった構成の映画は初めて!大林監督作品に見慣れてる方なら普通なのでしょうか?ストーリーも同じ映像が繰り返されたり、話が細かく飛んだりするので理解に苦しみ、元々寝不足だったこともあり(笑)度々意識が飛んでしまった。しかし、飛び飛びだけれども趣旨が一貫しているし、同じカットが繰り返し出てくるのがかえって良いのか、寝て起きてもストーリーは大体追えてしまうという珍しい映画だった。映画というより芸術作品!

戦争のことで今まで知らずきょう学べたことがたくさんあったし、大林監督の映画を通じて後世に伝えたいメッセージ(平和、反戦)、映画を通じてメッセージを伝えられるということ、また映画でこれだけメッセージ性がはっきりしているものを久しぶりに観たので、心にガツンときた。血とか絵の具みたいだったしホースから水出るみたいに出てたの怖かったなぁ。幽霊も。夢に出てきそうだ。

上映後のトークでは大林監督の奥様が出てこられて、監督が病床から合図を出したり、ずっとこの映画のことを気にされていたことだったり、観客の皆さんに観てくれてありがとうと伝えて欲しいと奥さんに託していたりという裏話を聞いて、めっちゃ寝てたくせにめっちゃ泣いてしまいました。そして大林監督に未来を託された岩井俊二監督、頑張ってください!!
たくみ

たくみの感想・評価

3.0
TAMA映画賞授賞式にて鑑賞🎥
最優秀作品賞、また故大林宣彦監督の遺作ということでかなり期待していましたが、良くも悪くも期待を裏切られました。

良い意味でいうと、この作品は決して「ありきたりな良い映画」ではなかった。
冒頭から色やアニメーションの使い方が奇抜で、合成もハッキリ合成ってわかるようになってるし…大林作品初めてだったからやや戸惑ったけど、いつもこんな感じなのかな⁇

急な展開や短いカットが続いて、前半は正直理解できない部分が多く、途中眠くなってしまったけど(申し訳ない)、後半になってやっとストーリーが見えた。
背景知識をしっかりインプットしてから観たら、もっと最初から理解できたのかなぁ。

あとから思えば、「戦争の惨さ」と「平和への祈り」というメッセージは最初から最後まで一貫してて、
でも、重く悲しい、いわゆる「戦争映画」とも違って、あくまでエンターテイメントとしてそのメッセージが表現されていました。

個人的には好みじゃないけど(ここが悪い意味で「期待を裏切られた」ところかな)、最優秀作品賞を受賞したのにも納得がいきました。

大林監督、お疲れさまでした。
最高!としか言いようがない。

大林監督の集大成。
戸惑ったのは事実。客観的にみれば『この空の花ー長岡花火物語』('12)以降の4作では映画としての出来は最も低いことがわかる。「遺言」であることをセルフプロデュースしているのもズルい。ただ、これは映画だけで完結するような話ではないと思った。
大林監督の晩年4作は近作になるほどよりストレートになっている。それは、この映画が「説教」だと言うことを隠せなくなっているということでもあり、原因を病魔による体の衰えに求めることもできるかもしれない。
ただ、自分はこの映画のラストを観て、全然終わっていないこの映画を遺作であるという理由で嵩増しするのは逆に失礼ではないかと思った。遺言ではあるが、遺作ではない。

個人的にはね、大林を始めて観てからの約20年間の去来と、沖縄民謡が流れてきた瞬間に自分の近い話としてシンクロした衝撃が大きく、主観的に見ればそりゃ、とても困った、決して映画的快だけじゃすまない宿題を貰ったと思ってね。

ラストを観る限り、大林宣彦監督の新作は観れないが、この監督に影響を受けた作品は常に次回作になり得るということが示されてしまったんだよな。何というか、さよならしようと思ったらさよならさせてくれない、困った、けれどももう少し困ることを引き受けようと思わせる映画だった
きさ

きさの感想・評価

5.0
ポスターに惹かれて、内容を知らないまま友人と2人で観に行った映画。大林監督の作品を観るのも初めてだった…

いわゆるジャケ買い的な観かたをしてしまったけど、それが本当に大正解で。
たまたま終戦記念日の前日に行ったというのもあって、後半観てる最中の没入感がすごかったです。
すごく長かったけれど、集中力をほとんど切らさずに観続けられた。

この映画の関連インタビューや大林監督の他作品を漁りたくなりました。
広島県尾道市。閉館を迎える海辺の映画館「瀬戸内シネマ」が最終日にオールナイト上映するのは日本の戦争映画特集。戦争を知る世代も知らない世代も、同じスクリーンに向かってハラハラドキドキの映画体験が始まる。
突如、上映中に劇場を襲った稲妻によって客として来ていた毬男、鳳介、茂の三人は映画の中へ呑み込まれてしまう。戊辰戦争、日中戦争、太平洋戦争の沖縄。そして原爆投下前日の広島へ。
フィルムの中で体感する世界は時代とともに白黒から総天然色へ、サイレントからトーキーへと移り変わっていく。各時代を巡りながら時代の当事者を演じ、目の当たりにする戦争の歴史。まるで走馬灯のような戦争万華鏡は、中原中也の詩でもっていよいよ色彩を強めていく。


映画を観ている主人公が映画を体験し、その様子を我々観客が観て体感するという入れ子構造は、主人公たちが体験したように私自身にも降りかかる。

戦争を真っ向から描くというのは、なにも史実に基づいていたり、本当にあったことの再現である必要はなく、もっと感情であったり夢想であっていいんだよね。膨大な言葉と色彩と人間を前にして、言語化できない感覚に殴られた。広島に向かう列車の止められない力、戻れない恐怖。こんなふうに映画の持つ虚構の力が、戦争を体験していない私に知識以上の叫びを植え付けてくる。情報として得た知識ではなかなか得られない感情なんじゃないかなって思います。

戦争をリアルにではなく嘘で描くシネマゲルニカ。ピカソが描いたあの絵が写実的なものであったらどうか。もう二度と見たくないと思って風化してしまうかもしれない。子供のように横顔に目がふたつあるように描く事。嘘だけど真を描いてる。そんな風に語った大林監督の言葉が残っている。おそらく遺作になるという予感のもとで作られたであろう本作は、映画というよりも大林監督自身からのメッセージなのでしょう。もっと自由自在になりなさいと。






余談
結局劇場で観る機会がなかったな、なんて思っていたところ、川越スカラ座にて公開中とのことで少し足を伸ばして。海のない県の映画館はとってもレトロな佇まい。映画の雰囲気と相俟ってタイムスリップ感を味わいました(観客5人くらいで)大林さんの色紙もありました。
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