ノラネコの呑んで観るシネマ

ハリエットのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

ハリエット(2019年製作の映画)
4.2
面白かった。
新しい20ドル札の肖像になる予定の、元逃亡奴隷で奴隷解放活動家のハリエット・タブマンの物語。
自らが売られて、家族と引き離されることを知ると単身逃亡。
やがて奴隷解放組織の地下鉄道の“車掌”となり、家族を含め多くの奴隷の逃亡に手をかすことになる。
彼女は絶対不可能と思える逃亡を成功させるのだが、白人の暴力が元で神の啓示を受け取ることが出来る様になったという設定が面白い。
危機が近づくと、脳の発作として予知夢を見るんだな。
神に守られ、虐げられた人々を約束の地に導く新たな“モーゼ”という訳だ。
とことんゲスな白人農園主とか黒人の裏切り者が出て来るのは「ジャンゴ」風味。
物型の外枠は西部劇で、中身はモーゼとジャンヌ・ダルクを合わせた様な宗教的世界観。
ハリエットの功績の部分は間違いないが、史実を描いた作品としては、神様頼りの部分が大きく描かれてるのは好みが分かれるところ。
ブログ記事:
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