うずくまる

ハスラーズのうずくまるのレビュー・感想・評価

ハスラーズ(2019年製作の映画)
3.2
RHYMESTER宇多丸さんのアフターシックスで取り上げられていたので視聴。

映画の真価とは関係無さすぎだけど、コンスタンス・ウーが「人生がときめく片付けの魔法」の著者、近藤麻理恵さんに似てるな?と思ったら、もう彼女にしか見えなくなり「こんまりがグレた世界線!」っというフィルターで観てすごい楽しめた。笑

カモにする男たちは摘発されていないだけで商取引法の等違反を犯していたり、苦しむ人がいると知っていながら搾取する倫理観の壊れたゲスが中心。
身近で接していて程々そのクズさにウンザリし、また自分たちが資本主義・新自由主義に搾取された存在であると自覚し始めた彼女たちが「搾取し返して何が悪いの」と牙を剥き、義賊的な意識を芽生えさせていく展開は痛快ではある。
ただその割にはお金の使い道が身内だけかあ…という物足りなさもあった。

とはいえ酒池肉林とか新しい搾取構造を産む破廉恥な金遣いではなくて、資本主義社会のなかで惨めと思わずに済む水準まで生活レベルを上げ、神に感謝を捧げる、というのが不思議とギリギリセーフな感じをもたらす感じもある。

昨日ちょうどYouTubeメディア:ChooseLifeProjectの「クソどうでもいい仕事は誰のため?」の回で、資本主義による隷属化の話が取り上げられていたけど、彼女達の感覚をギリギリセーフと感じるのは、資本主義社会順応より人権が優先されてしかるべき、って私の心はギリギリ知ってるんだよなあって思った。
騙されたことを恥ずかしくて通報・証言できない男が多いところも皮肉が効いてて、旧態然とした男性性社会の悪い所を煮つめてできた寓話みたいな話だなあという印象。
うずくまる

うずくまる