ストリップクラブの女性たちが、ウォール街で働く人々から大金を奪おうとする話。
ニューヨークで実際に立てられた計画を基にしているらしい。
かっこいい女性たちが悪者から金を奪う勧善懲悪的な話かと思いきや、現実の厳しさや社会の不条理がしっかり描かれた割とシリアスな話だった。
「クレイジーリッチ」とガラッとイメージの変わったコンスタンスウーがジェニファーロペスと出会ってから瞬く間に煌びやかな世界にのし上がっていく様が小気味良い。
ジェニファーロペスも50歳とは思えない若さと迫力だった。ポールダンスの身のこなしが軽やか。
場面にあったBGMも良い。ところどころ流れるピアノの音色が効果的だった。
彼女たちがあの計画を遂行するに至った過程よりも、ストリップクラブで働かざるを得なかった過程が興味深かった。家柄も学歴もなくて、人種やマイノリティという理由で虐げられてきたことが台詞でサラッと触れられていたけど、ここをもっと描いて欲しかった。そんな最後の砦に集まったものたちだからこそ、本当の家族を超えた絆で結ばれたのだろう。
とはいえ金持ちという理由だけで、何の落ち度もない人たちが酷い目にあっていくのはやはり釈然としない。
実話ベースだから仕方ないけど、肝心の計画も薬で昏睡させるというスマートさのカケラもないお粗末なものだし、そりゃその結末しかないよなというオチだった。
