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ハスラーズのikumuraのレビュー・感想・評価

ハスラーズ(2019年製作の映画)
3.6
【あぶく銭で回る世界に復讐する女たち】
(ひと月ほどぎうぎうで映画館にも行けず、
フィルマークスばかり眺めてみな様のレビューを楽しみつつクリップしまくっていた。。
フィルマークスがあってよかった(笑))

リーマンショック後、ニューヨークのストリップクラブにも客足は遠のき、
そこに働く女たちがとある方法で金持ちたちから金を巻き上げる方法を思いつき、実行する。
ただしそれは合法なものではない。。
(実話に基づくフィクション)
https://youtu.be/LUG2U-IxPx0

犯罪スリラー的なものを期待していくと、後半地味なので、ガッカリするかもだが、
主人公たちの友情を軸に、後味が絶妙な、なかなかいい映画に仕上がっていた。

クレイジーリッチ...のコンスタンスウーが主人公のデスティニーを、
ジェニファーロペスがストリップクラブの姐御ラモーナ役を熱演。
デスティニー、寸胴で可愛くないのがリアル。
コンマリが間違えてストリップダンサーになったみたいな感じ。。?(それ髪型だけ)
ジェニロペからポールダンスを教わってる時の座り方、後姿とかも、
全く魅力がない感じなのだ。
コンスタンスウーは割と好きなので、これは役柄でしょう。

しかし、冒頭の、ストリップクラブに入ったものの「お茶をひく」状況になったとこで、
ジェニロペのポールダンスを見て「うわーこいつはすげーや」となって早速友達になるとか、逞しい。
そこでのジェニロペもめちゃ優しいし。

そう、見終わって思ったのは、もっとラモーナ(ジェニロペ)のことも知りたくなった!
ということ。
これは映画への文句でもないというか、そういう余韻が残るのはいいことかも。
デスティニーは誰にも依存したくない、自分の力でそこそこの生活ができればいいと何度もいうんだけど、
このストーリーではラモーナが心の拠り所。
ラモーナは孤独な人を引き寄せ、ほっとけない性格なんだろう。
そんなラモーナにとってもデスティニーがすごく大事な人だったと分かるわけだけど、それはなんでなんだろうか。

こういう風にちょうどいい具合に謎が残るのも、
ジャーナリストの関係者へのインタビューが挟まれつつストーリーが進行しているからでもある。
みんなが本当のことを言ってるとも限らないし、話したくないこともある。
まあそういう映画の撮り方って言い訳がましくて嫌だなと思うこともあるのだが、これに関しては僕は割と好意的です。

なにより、ジャーナリストを通して、「あなたはどうなんですか?」と観客が問いかけられてるように感じて面白い。
正直、主人公たちのやってることには全く共感できないし、
(ウォール・ストリートへの復讐、といっても、
リーマンまではそのお金で自分たちも儲かっていたわけで、
しかも狙われるの金融マンだけじゃないしな。。)
ああやってあぶく銭を稼いで夜はパーティして。。
みたいなのが不毛すぎて、「頑張って働いて堅実に暮らせばいいじゃん!」
と思ってしまう自分がいる。
まあでも考えてみれば、ニューヨークで堅実に暮らすなんてかなり厳しいんですよね。
(住んだことはないけど(笑))
インタビュアーは誠実ながらいかにもお堅いエリートという感じで、
デスティニーに「あなたのご両親は何を?」と逆質問される場面があるんだけど、
やはりジャーナリストと精神科医の家庭。
努力してしっかりそこそこの暮らしを保ってるように見える人でも、
生まれ育った環境自体がすでにラッキーだったりする。
そしてお金持ちたちはあぶく銭で潤い、夜は妖艶な世界で発散。
あぶく銭で回るこの世界で、私たちはじゃあどう生きれば?
という主人公たちの問い。

(しかし、後日談的にインタビューされるデスティニーは割といい暮らしをしてるように見えるけど。。どうなったんだろう)

あと、どこまで本当なのかわからないけど、ニューヨークのストリップクラブがどういう仕組みになってるのか分かって面白かった。
行ったこともないしこれを見ても全くいく気にならないとはいえ、
へぇー、こうやっておもてなしされるのかー、とか、
こうやって個室に誘導するのねー、とか、(てか個室あるんだ)
完全に女性がモノと化して、それを眺めたりギリギリ触れ合うことで興奮するというのがイマイチよくわからないのだが、
ある意味恋愛と売春的なものの境界が明確なのかなー。
景気がいいうちは男も簡単なことでバンバン金出すし、
悪くなるとかなり客の質も変わりエグいことまでやらされてはした金投げつけられる、みたいな。
政治家とかセレブとかの下半身スキャンダルがよく暴露されて、
まーなんか気持ち悪いなー、としか思わないのだが、
こういう世界がある中でああいうことやってるのね、という感覚はちょっと掴めた。
だからなんだ、なんですが(笑)

あ、あと、アナベル役のリリ・ラインハートが可愛い。