じぇれ

ハスラーズのじぇれのレビュー・感想・評価

ハスラーズ(2019年製作の映画)
3.9
【ロマンシスに涙する犯罪実録もの】

お金が必要でストリッパーになったアジア系女性。彼女はスパニッシュ系のナンバー1ストリッパーと仲良くなり、コンビで合法的に稼ぐのだが……

宣伝では『オーシャンズ8』のような痛快クライムエンターテイメント風に見えますが、実態は実話を大胆に脚色した社会派ヒューマンドラマ。近年で言えば『アメリカン・アニマルズ』に近いテイストですね。

主人公が述懐するスタイルで、中盤まではさながらストリッパー栄枯盛衰記。リーマンショックを契機に犯罪に手を染めていく過程も、一定の説得力があります。

まぁ、搾取されてきた女性が男性をカモにする話ですので、me too運動と関連づけて語られるのも納得できます。でも、それだけを強調しすぎると、本作の真の魅力からはずれてしまう気もします。

そこで私からの提案。
《ロマンシス映画》として楽しみましょう!

実際プロットも、二人の女性の単なる友情を超えた愛憎を軸に展開していきます。男たちへの恨み以上に、二人の絆が本作の核であり、見どころなんです。というわけで、女性だけでなく男性も観ましょう!

強烈なオーラで作品を引っ張るジェニファー・ロペス姉御はスゴいぞ!

※大胆に脚色しているからか、本作では実名を使っていないそうです。このあたりにも、作り手の真摯さを感じます。それでもモデル女性から名誉毀損と訴えられるのですから、実話ものを作るのは難しいですね。
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