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ハスラーズのt0moriのレビュー・感想・評価

ハスラーズ(2019年製作の映画)
3.9
ジェニファー・ロペス、化け物か?と思った冒頭のポールダンスを経て、そのままアネゴキャラを貫き、且つ母でもあり友情を糧にしていた一人の女性でもあった姐さんに乾杯。
すこぶる面白かったし、シングルマザーたちの生き様を描いた青春映画としても、深みが感じられて良かった。

実際に起きた事件を元にしたということだからか、若干、主人公たち女性チームに対して、断罪的な目線が厳しい気もしないではない。もちろん同時に彼女たちの生活や、生きるために何が必要だったかを具体的に描いた上だから、意図はよくわかるのだけど、なんとはなしに投資家の男どもの扱いに、若干の甘さを感じてしまう。何となくチャーミングと言うか……まあ馬鹿にしてるのは確かだろうけど、気の弱そうな男性に無理やり飲ませてみたり、同じ様な投資詐欺の被害者的な男性からも搾取してしまう辺りなど。
この辺は自分がリーマンショックであまり直接的な被害がなかったために、現実として受け止めきれてないのが原因かもしれないが。製作のアダム・マッケイに「それならちょうどいい映画があるよ、『マネー・ショート』って言うんだが」とか言われそう。
書いていて思ったけど、逆にヒーロー然としそうなところを、逆の目線で抑制しているとも言える。何にせよ偏ってないのは確か。

途中、一瞬時制がごっちゃになってしまったのだが、ジュリア・スタイルズ演じる記者の記事が、出版された描写が無かったか(あった?)からかな。というかよくよく調べてみれば、この記事(The Hustlers at score)が原作になって映画が出来ているという入れ子状の構造になってるから、これはこれで気の利いた演出とも言える。

監督のローリーン・スカファリアはこれがまだ長編3本目という事に驚かされる。情報の取捨選択がそうとは思えない潔さ。そのために少し分かりにくいところもなくはないけど、同時に堂々とした円熟味も感じさせて、好印象だった。

個人的に『ハンドメイズ・テイルズ』で少し頭の弱い元娼婦を演じでいるマデリーン・ブルーワーが、また似たような役を演じていたのが印象深い。悪人じゃないけど、関わるとダメな奴……なかなかこの味は出せない個人的に注目株。