雨丘もびり

ペルドリックスの雨丘もびりのレビュー・感想・評価

ペルドリックス(2019年製作の映画)
3.5
【Following様の鑑賞リストから選んで観てみた】
最初、イットフォローズが始まったと思ってゾクッてした(怖)。
やー、こわかったねーありゃ(^^;)ひゃっ。
                                  
.
突然闖入してきた放浪女ジュリエットに、「あんたら自分らしい生き方してんの?」とズケズケ問われたぺルドリ家の皆さんが.....というお話。
主人公ピエールを演じるスワン=アルローさんが演技巧かった。

ピエールは家や家族が足枷になってる設定なんだけど、私には彼がそんなに困ってるように見えなかった。
なんとなくぼんやり"家長って鬱陶しい/毒兄が煩わしい"みたいな倦怠感があるくらい。彼の生きたい人生観や夢も提示されないし、それが家族によって阻害されてる様子でもない。

ピエールが生き甲斐を見つけて歩き出す物語というよりは、自分らしい生き方を考えるためにちょっと気ままに振舞ってみましょか、程度のふわっとした結末。
「人生をカラにする。平穏は自立した心にやってくる」
っていうセリフ、そのままの映画なのかなって思った。

.....だけど、このヌルい落としどころがリアルだなって。
ジュリエット自身が、ありのまま生きているように見えて実は"嘘をついてるメンター"だから。
    
【愛されないからスネてる娘】
ホンネはちやほやしてほしいとかその程度。でも弱みを見せられないから不満でいっぱい。
だから、他人もアタシみたいにイラついてるって決めつけて、怒りで分かり合おうとする。家族制度に逆らってる同士が欲しい、独りで淋しいから。
奔放で気高いように見えて、迷い人の導き手になりたがって、正体は空っぽのお嬢ちゃん。

そういう人は、他人の心にズケズケ入ってザワつかせるのが限界で、本当に啓蒙することはできないよ。
偽りない生き方をして、自分の心のバランスが取れて、人生の目的を探そうと歩く人にならないとさ。

.....って言ったら会ってくれなくなっちゃったCちゃん元気かしら(遠い目)。
はーい!、相変わらず個人視観ハナハダシイですけど、私はすっごく生々しいドラマとして味わいましたー(T▽T;)
悪気はなかったんだけど、わきまえないで私のことに立ち入ってくるから、たしなめたかっただけなんだけど。。。

本作、等身大の人間を誠実に描けてると思いました。
そうそう、こんなもんですよ。ららら~♪


戦場ごっこしてる人たちを茶化してたけど、"再現芸術"の奥深さを知ったら、軽々しく馬鹿にできないけどな。。。