矢吹健を称える会

ルース・エドガーの矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

ルース・エドガー(2019年製作の映画)
3.8
 よく「ポリコレのせいでフィクションが面白くなくなる」という意見があるが、これはそれに対する(個人的には『ズートピア』以来の)面白い反証。サスペンスとして一級品だと思う。

 ただ、出来すぎているというか、悪い意味で考えられすぎなところもある。個人的に「花火」が爆発するくだりは、ちょっとやりすぎ。あと、単純に描写が足りていない箇所もあると思う。が、オクタヴィア・スペンサーやケルヴィン・ハリソン・ジュニアら役者の佇まいと演技は、不満点を帳消しにするほど素晴らしい。
 ラストのスピーチには『ゴーン・ガール』級の複雑な感慨を覚え、こういうのを味わいたいから映画を見に行っているんだよなあと改めて思った。あと劇伴が最高。