コーディー

彼女は夢で踊るのコーディーのレビュー・感想・評価

彼女は夢で踊る(2019年製作の映画)
4.2
めちゃ良かったです!

広島にある閉館間近の第一劇場。ストリップという異世界に魅せられ、恋をし続けた名物社長の〝裸を見せ金貰う商売〟の言葉とは裏腹なこの世界や踊り子への敬意。時代と共に消えゆく儚さの中で裸の向こうに覗く純真、感情渦巻く劇場の中心で光浴びる踊り子の舞に心奪われた。

もちろん芸術性ばかりを押した映画ではないけど、いやらしい世界が広がっているという先入観を覆す物悲しさを帯びた恋物語。性を売る以外の心の隙間を埋める場としてステージを見つめる客と踊り子が僅かな時間に生を共有する。そんな幻想を説得力を持って魅せる踊り子らの美しい舞に涙。曲も超沁みる!

決して安くはない入場料に見世物ではない値打ちがあり、誇りや様々な想いでもってステージに立つ踊り子。送り出す社長の背負ってきた物語をくたびれた背中で語る加藤雅也の誰より値打ちを知るからこそ滲む悔しさと哀愁が素晴らしい。また岡村いずみの魅惑、矢沢ようこの妖艶の舞は圧倒的で感情が昂る!

自分も大学時代に興味本位で友達とストリップ劇場行ったことあるけど割とその異世界感が衝撃だったんですよね。いやらしい気持ちを上回る何かが迫ってきたのを思い出したw