ジョージ・ミラー監督がイスラムの説話集『アラビアンナイト』をモチーフに撮りあげたスペクタクル・ファンタジー・ロマンス🫧✨
イギリスの作家A・S・バイアットの短編集『The Djinn in the Nightingale's Eye』を原作に映画化📕
3000年もの間幽閉されていた魔人(ジン)と現代の女性学者のお互いの孤独と「願い」をめぐる大人のお伽噺🧞✨
これは大変好みの作品でした🥹💕
予告見て予想してた程には、はちゃめちゃな感じもなく、案外静かでじんわり来る作品だったのは意外だったけど、映像の華やかさやめくるめくるスペクタル感もあり夢中になって観てしまった🥹✨
魔人がイドリス・エルバ、願いを叶える女性学者がティルダ・スウィントンという時点で最高🤤💕
古今東西の物語や神話を研究するナラトロジー(物語論)の専門家アリシア(ティルダ様)が講演先のイスタンブールで買った美しいガラスの小瓶から、かの有名な願いを3つ叶えてくれる魔人(イドリス)が現れる🧞💭
研究で「願い事」を描いた物語にハッピーエンドがないことを知ってるアリシアは、願い事をなかなかせず、仕方なしに魔人は3000年におよぶ自らの物語を語り出す💬✨
この魔人が語り出す願いにまつわる物語が楽しい🥳
シバの女王とソロモン王、スレイマン1世、ムラト四世、名もなき数学者ゼフィール…聖書や歴史上の人物たちの壮大な物語と魔人の恋やささやかな願い。
過去の回想で豪華絢爛なお城や登場人物たちを色鮮やかな映像美で綴る夢物語✨
支配者、征服者、虐殺者と、登場人物たちには男性もたくさん登場するけど、不思議と願いを叶える持ち主は主人公のアリシア含め全て女性なのも面白い❣️
中でも最後の持ち主だったゼフィールの話がドラマティックで、これを軸に一本の映画が出来てしまいそうな愛や苦悩や欲求のエッセンスがこれでもかと詰まっていた📚
瓶の中に書物を隠す、覚醒して夢を見る、と言った独創的でイマジネーション溢れる表現もとても好きだった🫠✨
征服者のムラト四世がすね毛の濃さから分かる通り彼はジン血族で、後に心を病んでから語り部の老人の話に夢中になるって、物語を愛するジンの性質を受け継いでいる描写もいい✨
足の毛が濃い、のレベルがすね毛レベルじゃないのはなんなの🤣
その弟イブラヒムの放蕩ぶりとか性癖、子孫を残す為に毛皮で覆われた部屋に幽閉されるってくだりも尖ってたなあ(フュリオサにもこれくらいの変質的なシーンあったらよかったのに)
「物語」をテーマにした作品なので、語ることに重きが置かれ、大きな意味をもつ今作。
独白、会話、言語で紡がれる物語が大変魅力的な上、映像、音声、音楽と映画的言語をフル活用し形成するような表現が好みだった🥹✨
語るべきところは語り、語らずして伝えるところは他のアプローチで、かつ分かりやすく表現してるのがいい塩梅だったなぁと。
「物語」を生業としている2人が出会った時に何が起こるのか?
果たして魔人は本当にアリシアの前に現実として現れたのか?🧞🫧
アリシアの子供時代の空想と最後にしたためていた物語が結びつくように、現実と夢想が交錯するようなイマジネーションの奥行きが素敵だった✨
切なさと暖かさ、余韻を感じるラストがまたよかった✨✨
途中コロナ禍を思わせるマスクの人々の描写もあって、あの頃は演劇や映画がストップしたし、人との触れ合いがない中で、あらゆる「物語」が停滞して、今後は全て失われるような恐怖を感じた覚えが私にもある。
そんな観点からも、人は「物語」を必要としてるし、その「物語」への大きな愛を感じた作品でもあった。
ジョージ・ミラーってマッドマックスのイメージ強いけど、ロマンティストなんだなと🥹💕
今作より先にフュリオサを観て私はなんか不完全燃焼感があった1人なんですけど、今作を先に観てたらきっとしっくり来たんだろうな〜って気もした。
今作観たら少しフュリオサへの愛も増しました🥹