さよこ

ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコのさよこのレビュー・感想・評価

3.6
【ほっこりじゃない感情になったぞ🐈】
猫ちゃんパネルを観たくてCINEQUINT WHITE(@渋谷)で鑑賞。

🐾猫ちゃん
猫ちゃんが昔は忌み嫌われた存在だったと知ってびっくりした。あんな可愛い生き物を…嘘だろ?ルイスのおかげで猫ちゃんが人気になったと知ったので、ルイスの人生は猫ちゃんに捧げるためにあったのかもしれない。猫ちゃんは尊い。ありがとう、ルイス。

🐾ルイスの魅力
プライドで武装する男性が多い時代に、さらっと等身大の自分を表現しているセリフが度々あって『素直な人』という印象。家庭教師のエミリーがいつルイスに惚れたのか分からなかったんだけど、思い返せばお詫びの印に自分の弱いところを打ち明けたり、決して相手より強い立場になろうとマウントとらないところとか、素直さと弱さが魅力に映ったのかもしれないなって思った。

🐾大きな誤算
猫ちゃんと画家のほっこりした話を期待して観に行ったらちょっと違った。後半にかけては和やかなシーンはあまりなく、ちょっと重ため。予告編はもう少し作品のテイストが伝わるようにフェアに作ってほしいな、、、

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⚠️この先、ネタバレあります⚠️
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🐾ルイスの言葉
『妹たちの学費や生活を支えるのが大変で…』
『人間は描かないんだ』

🐾ルイスの変化
以前、この映画とは別に統合失調症の人が描いた絵を知る機会があった。発症前⇔発症後では、後者のほうが線が太く、そしてパキっとした原色を使う傾向にあるのを思い出した。ルイスにおいても、以前は繊細で柔らかい猫の毛並みを丁寧に描いていたが、後半になるにつれ(特に○○で描いた絵とか)猫なのに黄色が多く使われていたり、同じ傾向が見られたので、絵のタッチが変わったというよりは、やはりルイスの精神状態の程度を表していそうだなと思った。

🐾ルイスの妹/キャロライン
ルイスの世間体を気にしないところは長所でもありつつ、妹の立場を考えると何とも複雑な気分になってしまう。ルイスが放棄した様々な責任や判断を妹が一手に引き受けているので、キャロラインが苦労人に見えてしまった。ルイスが少しだけ空想の世界にいるからか、もしくは単に向き合ってないだけか分からないけど、借金まみれになってもお金に無頓着な兄はさすがにきつい。というか電気で特許を取ろうと息巻いてる人が、絵に関しては版権に無頓着なのはなんだか不思議だった。どういうことだ??

🐾妹たち
家計を立て直そうとするときの動きが、兄をせっつくか、借金の一手だったのはとても惜しい。妹たちが商談スキルを持っていれば、ルイスの絵はもっと高値で売買できたのでは?と思ってしまったし、せっかく教育熱心な家なのにそれが活きてないのは勿体ないなぁと。自分に商才がないことを棚にあげて、兄を責めるのはちょっと違う気がして、兄にも妹にも肩入れできなかった。上流階級だし、時代も時代だから仕方ないのかな…?婿探ししてる妹はそれはそれで努力のカタチだとは思う。

🐾惜しいところ
成長した妹たちと、幼少期の妹たちの比較ができたら面白かったなぁ。兄に対して態度の違いはあるのか、とか。あの子がなんで錯乱しちゃったのかも気になるし。

🐾その他、いろいろ
・BGMも猫ちゃんの声ぽくて良き🐈
・猫ちゃん喋る幻聴が可愛くて最高だった。ここは『猫の言葉が分かるんだ!』といった兄の症状を心配して病院に連れてく、くらいのエピソードを期待してしまった。まぁ猫ちゃんはホントに喋るしな…だめか。
・猫ちゃんと奥さんとの幸せな生活が短くて哀しい
・借金しているわりに生活苦な感じがしない。
・ボスが意外と良い人だし先見の明がある。
・ホテルマン側の気持ちになって観てしまった。
・人の日記を勝手に見るのはさすがに無理…😇
・絵画みたいな背景はフルスクリーンで観たかった🌲

今回、映画を観る前にパンフレットを読み込んでしまった(猫ちゃんの誘惑に負けた)のもあって、ややネタバレ気味で映画鑑賞となりました。もしかしたらそれが感動を減らしちゃってるかも…。しまったな🤦

【追記】
パンフレットのなかの制作エピソードで『猫がスタジオ入りしたら、猫を驚かせないために人間は急に動いたりするのは禁止』みたいなルールがあったようで、猫ちゃんが大事にされてる現場と分かり、ほっこりしました。猫ちゃんは尊い🐈

【追記】
銀座の画廊で12月からルイス展をやるっぽいので楽しみ!🥰
さよこ

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