当時、PARCOの映画館で猛プッシュされていたのだが、これ観たら私がPARCOでも猛烈に押すわって思った。
当時評価が普通だったので迷いつつ劇場スルーしたが、PARCOの言うこと聞いておけばよかった……!
冒頭から貴族であるウェインの家や暮らしの美術セットも、引越し後ののどかな庭付き一軒家も、サブカル好きにはたまらないのだ。
加えてFilmarksの似てい作品「ミス・ポター」「幸せの絵の具」だもん。「哀れなるものたち」の舞台設定が好きな人にも刺さるはず。
これウェス・アンダーソンだったら狂ってなく彼独自の世界観で、それはそれで認められてただろうな。
画面の比率と撮られ方があえて昔のドラマ感あって雰囲気のある創りも好きだった。
ルイス・ウェイン監督が共作で書いた脚本はセリフが素晴らしかったし、とにかく若い頃の役から年老いるまで、1人で演じきったベネディクト・ガンバーバッチに拍手。
現代の通り電気がひとつのテーマだが、終始光が美しく、これパンフレット欲しかったな。
エンドロールの猫たちの絵と音楽で、作中の苦しいシーンが無駄じゃなかったと思わせるくらい心が洗われた。
以下ネタバレ
・エミリーが死んだと察したシーン、よく出来てた。朝は息があったのに、朝食作ってた間に息がなく、呼びかけに答えないから察し、タバコに火をつけようとするがつかない。
フレアが入った光と、日常音の現実がリアルでそれだけでも称えたい名シーンだぅた。
・電気の出現で狂ってくシーンも、当時は同じように熱狂的な人が多かっただろうからあまり気にならず
・後半は世間知らずで育ってしまったワガママ妹たちが少し怖かった。ただ妹しかり統合失調症は遺伝な気もしたし、人気なのに版権や金銭管理に疎かったのは相談できる社交場や友達がいなかったのかなぁ。
ただウェインの晩年しかり、苦しんだばかりの人生でなかったし、父が早死にしたことからずっと家族を支え続けるのは立派だった。
それにウェインの功績がなければ後世に生まれなかった文化も多いはず。