eiganoTOKO

hisのeiganoTOKOのネタバレレビュー・内容・結末

his(2020年製作の映画)
2.2

このレビューはネタバレを含みます

ホモフォビアや、「結婚しても子供を持つのが立派な男」プレッシャーがいかに同性愛者やバイセクシュアルやあるいはアセクシャルなどを苦しめているか、わかりやすい教科書的な映画。
しかし「優しくないのは世界じゃなくて、自分だと気付かされました」という究極の自己責任台詞がメイドインジャパンの地獄である。
法的にも不利で、危篤になっても、事実婚レベルの証明ができなければ説明も受けられないレベルの状態で、優しくないのは自分なんて追い詰めなくていいと思います。

ただ、浮気されまくって離婚を突きつけられ、親権も奪われようとする女性のdv場面を描くのはちょっと不利すぎる。
もうすこし対等に描いてほしいもんですね。クソ女vs子供に優しいゲイと世間からの偏見という見え方なら後者に同情がいくのは当たり前だろ…。
この勧善懲悪が映画をつまらなくさせてる。
さらに言えば、片親で祖母が育てることで子供の性格がふさぎがちになるなど、片親差別につっこみ、祖母のみが巨悪の根源のように描かれる。
社会的要因の責任を放棄すれば、個人に押し付けるしかなくなるわけで、同性愛差別を解消するための悪人を作り上げるしかなくなるわけだ。ほんとに何も考えてねえなぁと呆れます。
しかし鈴木慶一おいしい役だなぁ!
と思ったら死亡フラグで笑った。
いい人は死ぬ…。
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