たいてぃー

hisのたいてぃーのレビュー・感想・評価

his(2020年製作の映画)
3.7
冒頭は男性二人のベッドシーン。男性同士の恋愛話との前情報は得ていたので、濃厚なシーンへ繋がると勘ぐったが、急に別れ話となる。テレビ版で高校時代を描いたのがあったとのこと。このシーンは二人が大学生であるから、そこまで続いていたって、ことになる。でも、何故別れなければならなかったのか?ここから、8年後に話は飛ぶ。
白川町に住む迅に、渚が娘の空を連れ現れる。この後は、渚と妻の離婚調停が行われる都会とコミュニティ感あふれる白川町が相互に描かれる。離婚調停は、ありふれた感があるが、双方の弁護士役の堀部圭亮と戸田恵子の演技力もあって、飽きさせない。
白川町のご年配の方たちも魅力的。猟師、緒方役の鈴木慶一、パイプオルガン職人の方(この人は俳優?)、そして麻雀好きのおばさん役の根岸季衣。子供相手に盲牌をレクチャーしてた。ぶっきら棒さが、いいよね。
主人公二人の恋愛描写はあるが、なぜか爽やかさを感じた。この辺は、今泉マジックってことかな。それとも、役者が上手いのか。宮沢氷魚は、役者としてどうかなって、疑問があったがこの役に溶け込んでた。川原で「審判」を読み、それを顔にかぶせて、寝るってシーンが好み。「審判」に何の意味があるんだろうね。って、以前に読んだ記憶があって、本棚を探したら、あった。ちょっと読み返してみたけど、よくわからん。うーん、難解と言われた本著と本映画に何のつながりが?気になるから、全部読んでみよう!って挫折しそうだけど。