Matsuzoh

スミス都へ行くのMatsuzohのレビュー・感想・評価

スミス都へ行く(1939年製作の映画)
4.0
予備知識なく、タイトルから、田舎からニューヨークあたりに観光か何かで出てきたスミスさんの、カルチャーギャップコメディ?くらいに思ってたんですが、そういう面もあったものの、政治ドラマでした

スミス氏は、上院議員の死亡に伴い後任に選ばれてワシントンDCへ来るのでした

そんなスミス氏、ボーイスカウト的な団体の指導者で、ワシントン初代大統領やリンカーンにあこがれ、理想には熱いものの、政治には素人
素人なら扱いやすいだろう・・・というところで州の有力者から選ばれている

ただキャラクターとしては「天然」
熱い行動は時として「ボケ」になり笑いを生む

青少年に対する熱い思いから起こした行動から、思わぬ対立に巻き込まれ、大ピンチに陥る

そこからの展開、スミス氏も頑張るけど、彼を支える存在が優秀
世が世なら、こちらが主人公として、もっとちゃんとした地位について大活躍しただろうなと思える

テレビもまだないこの時代、新聞とラジオの主要メディアを押さえられるとどうなるのか、そこに対してどう反撃するかという議会の外での攻防戦、興味深く見ました

しかしクライマックス、え、そこさえ押さえればOKだったの?というのに拍子抜け感
議会内外の動きが重なり合っていくような展開を期待したんですけどね・・・

トータル面白かったんですけど、最後ややモヤモヤも残りました


以下トリビア

・冒頭流れてきた主題歌が「アルプス一万尺」?という不思議

wikipedia情報だと、「アルプス一万尺」の歌詞は日本で勝手につけられたもので、もともとアメリカ独立戦争時の愛国歌で、日本に伝えられたのはペリー来航時!とか

・選挙なしで国会へ、の不思議

序盤、州の有力者の話し合いでスミス氏がいい!と決まったら、もうワシントン行き決定!・・・に驚いた

候補者に決まったとして、当然選挙の場面が来るもの・・・と思ったのに、どうも日本のように欠員→補欠選挙の流れが当然というわけではなく、アメリカでは補欠選挙のタイミングは各州まかせで、次の選挙の時期まで臨時の議員を指名できるらしい(wikipedia情報)

選挙の洗礼を受けてない臨時議員・・・なんて、日本ではありえない存在だけど、アメリカではありなんですね

・テニスのボールボーイみたいな子どもたちが議会にいっぱい

後半はほとんど上院議会のシーン
けれどもそこには常時、雑用にたずさわる少年たちの姿があって不思議

調べてみると、ペイジと呼ばれる選ばれた高校生らしい
もっと幼く見えて、小学生くらいかと思った
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