図師雪鷹

スミス都へ行くの図師雪鷹のレビュー・感想・評価

スミス都へ行く(1939年製作の映画)
4.0
少年のような心を持つ議員が、腐れきった巨悪に立ち向かう物語。


ボーイスカウトの団長を勤めていて子供人気の高いスミスは、ひょんなことから州代表の上院議員に指名された。ところが田舎者だった彼は、都会ではふらふらするし、議員のことを何も分かってないし、とにかくうまくいかない。だが、彼は誠実で、アメリカという国を心から愛していたのだ。スミスの秘書クラリッサは彼に迷惑をかけられ疎おしく思うが、彼の清らかな若き心に惹かれていく。そしてクラリッサの協力のもと行ったのが新しい法案の設立。彼は子供のために、ウィレット川という所にキャンプ場を作ろうとしたのだ。しかし、その場所には巨悪の根源がのっそりあぐらをかいていて、スミスを飲み込もうとしていたのだ。スミスはどうなってしまうのか。



素晴らしきかな、人生!に続いて見たフランクキャプラの作品ですが、キャラクターの描写がすこぶる良いです。スミスがどんな絶望的な状況に堕とされても、スミスはその心が清らかなままそれを跳ね返すことができると信じられる。スミスだけでなくクラリッサ、同じ州の議員のペイン、議長のキャラ描写も優れていて、あっさりに感じられるラストもすんなり受け入れることができる。


悪に支配された人は、その悪に手を貸しただけ、自分の心が押しつぶされてしまうんですね
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