「ムショに行く前にマ・ドンソク(狂犬)を放て!」
【BS/WOWOWシネマ/放送録画視聴/シネスコサイズ】
テレビドラマの劇場版とは知らずに成り行き視聴。
当初、観る予定はなかったが、冒頭マ・ドンソクが出ていたのでそのまま期待して観た。
映画の設定自体は過去のハリウッド映画にもよくある悪党VS悪党。元警察官の悪党たちは刑期が軽くなるための動機であるが、徹底して相手を潰す姿にはシビれる。
突っ込みどころ満載であるが、激しいアクションは観客を引き付けるだろう。
何と言ってもパク役のマ・ドンソクだ。人相の悪いゴツイ大きな顔と巨大な体が登場するだけで、その場の雰囲気は激変する。アクションも豪快で相手は痛い目に合う。しかも、ナイフで刺されても全く関係がなく肉弾戦をする姿は、悪党だがスーパーヒーローに見えてしまうから不思議だ。
紅一点の天才詐欺師クァク役のキム・アジュンも好演だ。スレンダー美女でありながら、頭脳明晰な役は面白くてスカットした。
本作は韓国の社会問題を皮肉たっぷりに描いていることも興味を引く。警察や検察の腐敗から反日問題まで出て来る。反日問題では豊臣秀吉の名前が出て来た時はビックリだ。どうも日本は韓国から過去に遡って嫌われているらしい。
ラストアクションでは「燃えるドラゴン」を思わせる巨大悪党との死闘が印象的だった。
ただ、ミステリー部分が少し弱く、展開も単調だったのが悔やまれる。
本作はコメディタッチの場面も多く、アクション好きとマ・ドンソク好きにはたまらない作品だ。