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シン・ウルトラマンのtatsuのレビュー・感想・評価

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)
4.0
5歳の息子と、約1年前から昭和シリーズを予習して、ようやく今作を鑑賞する事ができました。

まず結論、これはたぶん評価が割れるどころか、たぶん否定的な意見の人が増える作品であると思います。なぜなら「ウルトラマンを知り尽くした制作陣が、ウルトラマン愛を詰め込んだ作品だから」です。

つまり、昭和ウルトラマンシリーズ、特に初代マンを見た頃が無い世代の人が、シンゴジラのような普遍的な面白さを求めて見に行くと、まったく刺さらないどころか、古臭い戦闘や絶妙なダサさに驚かされるのだと思います。

例えば、昭和シリーズって、飛行シーンでミニチュアが使われたり、ミニチュアが飛んでいる姿勢で回転するなどの演出があるのですが、これをそのまま使っていて、それを知らない世代はきっと「うわ、だせぇ」となると思います。

脚本も結構緩さを感じるし、令和のこの時代にこの描写、この演出・・・などちょっと小っ恥ずかしくなるシーンも、正直結構ありました。でも、そこは個人的に「コメディ」として緩めに受け入れられたので、全然だいじょうぶでした。

ただ少し残念だったのは、今回予告にも登場した怪獣(禍威獣)と外星人の物語が、それぞれ独立してしまっている点。要は、原作版の1話完結スタイルまで踏襲してしまっている点は、映画として少し違和感を覚えました。

事前に予習していたので、オマージュや小ネタをちりばめるレベルではなく、がっつり話運びが一緒だったので少し残念でした。それであれば、それぞれの敵がちゃんと絡んで物語を進めてほしかったです。

きっと今作は、昭和ウルトラマンシリーズを知らない世代に、ウルトラマンの良さを知って欲しい!という入門的な作品という位置づけかなというふうに感じました。

途中「マルチバース」という言葉が出てきたり、「マイナス宇宙」らしきものも出てきたりしていたので、今後のシンユニバース、庵野ユニバースの広がりを期待しています。
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