April01

1917 命をかけた伝令のApril01のレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.1
最近ずっと007を見続けていたから、「007 スペクター」サム・メンデス監督による見事な冒頭のメキシコでのシーンがこういう感じだったよな、と思い出される。あの作品は正直あの序盤だけだったら満点しかない!5点!だと思ってる。あの長回しのワンカットを繋げる作業を、さらに上手にやってのけてステップアップしたのが今作のようにも思える。

この手法における弱点、時間軸の切り替えの問題と、定点が動くきっかけとなるワイドレンジな理由付け(この場合は上から見下ろさなければわからない戦局)を上手くクリアしている。
撮影上のいわば制約は、人物を追いかけることそのものがストーリーであると正当化していて、むしろ逆説的に、だからこの撮影法でなければならない、とも見えるのが巧い。監督にとってはたぶんこう撮りたいという方が先だったのではないかとは思うけれど。

意識喪失して覚めたら夜、という時間軸クリアを使い、さらに明るい場面とは打って変わって暗闇の廃墟を進む映像が美しい。
フランス人女性に引き留められる場面見て、どこか既視感あるな、何の作品だっけと考えたら「コールド マウンテン」だ!あの作品も兵士がある場所へ向かう道中を追う形で女性と子供が絡むんだった。

カンバーバッチすごいお待たせ感強すぎて、しかもエッ!短かい!と少し拍子抜け。

第二次世界大戦を題材にした戦争映画は自分なりの観るシリーズが済んでいるけど、こうして第一次大戦の作品を観ると、戦い方の大きな違いが感じられ、そのうち第一次世界大戦シリーズもスタートしようかという気になる。
April01

April01