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1917 命をかけた伝令のKのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
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ノーマンズランドで、束の間の生き生きとした瞬間と人間が死体に変貌していく瞬間が、残酷にもワンカットで繋がる。全編常に漂い続ける死臭とサスペンス。
『マッドマックス FR』『ゼロ・グラビティ』から始まるテン年代映画の映像技術と"体験性"に重きを置く話法、その集大成のようなロードムービーであると同時に、主演2人に支えられた"役者の映画"であることに感動した。
間違いなくP・ジャクソン『彼らは生きていた (They Shall Not Grow Old)』以降の戦争映画でもある。冒頭からいつ何が起こるかわからない緊張感の中で描かれる、日常に根ざした会話劇が最高に魅力的。そしてロジャー・ディーキンスの撮影は、主人公が"死"に近づくほど、よりダイナミックに、より美しくなる。映画的な疾走シーンはしばらく忘れることが出来ないと思う。
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