ボギーパパ

1917 命をかけた伝令のボギーパパのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.6
本年年明けは注目作が多いが、本作もその一つ。全編ワンカット撮影といわれる点も注目度が上がる要因。

そのワンカット撮影という部分にどうしても目が行ってしまい、目が追ってしまうが、それ以上にやはり6ヶ月かけて綿密なリハーサルを繰り返し技術とチームワークで撮影をされただけあり、美しい映像は単なる技法というものの上を行くものがある。

第一次大戦では様々な新兵器が生み出され、それまでの戦争とは大きく変わったという時代背景がある。本作はこの時代と、それ以降に起こる技術革新(まだ生まれていない技術)との狭間にある「伝令」にフォーカスを当てている。技術未開発の時代においては特に過酷な任務だ。この任務に焦点を合わせ、絞りを効かせ、戦争の悲惨さを数枚の写真に焼き付けたような作品。また、戦火の下、破滅の中にも映り込むある種の「美しさ」も存分に映されている。

ミッションを達成させるまでのドラマを丹念に描いている。戦争は各方面におけるミッションの連続、重層的に重ねていく事で遂行されるのだから見逃せないポイント。

さらに戦争映画には欠かせないバトルシーンの迫力は壮絶。『プライベート・ライアン』で革命が起こされたが、本作においても革命的な衝撃を受けた。WWⅡ以前の兵器レベルでの起こりうる過酷な事態を見せつける。戦争が引き起こす災禍は武器のレベルでは無いことも認知できる。

人間の業と、災禍の中にも失われない情愛を、映画人の情熱と技術をこれでもかというくらい詰め込んだ意欲作。ベネディクト・カンバーバッチやコリン・ファースといった大物をあの様に使う贅沢さもある。

アカデミー何部門獲るのでしょうか(^^)
非常に興味深いです。

アカデミー3部門受賞おめでとう㊗️ございます。主要部門というか監督賞獲るかなとは思ったものの、今年は相手が悪かった・・.サム・メンデス監督次回作期待してます(^^)

追記・演技の素晴らしさも忘れてはならない。あのブレイクが刺されて死にゆく際の、顔面蒼白演技は忘れられない。

またスコ合掌ようやっとD連隊に巡り会えた時に唱されていたイギリス民謡っぽい曲が素晴らしかった!
そして伝令は伝えてなんぼ!最後の最後まで走ってなんぼでした。
ボギーパパ

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