吉田ジャスティスカツヲ

1917 命をかけた伝令の吉田ジャスティスカツヲのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.9
なんとわかりやすい物語なのでしょうか。


イヤな事から先に申し上げますが…まず最初にハッキリとさせておくべきは、本作が全編ワンカット【っぽい】ということです😅
あくまでも巧いことそれっぽく編集した疑似ワンカット。
それどころか途中でショットは切り替わるし、時間も飛びます。
考えてみればそりゃそうです、現実的に110分間を喋りながら歩くだけなら私にもできますわ。

とはいえ、それでもなお繋ぎ目をほぼ感じさせない流麗なカメラワークや編集によって、観客を第一次世界大戦の戦場ど真ん中へと放り込む😱
その地獄と恐怖、悲しみと虚しさをリアルに追体験させるという意味において効果は絶大‼️


もちろん全編ワンカットの没入感、臨場感は見る者を画面に引き込むのですが、それだけでなく【すべての画面がメンデス美しい】のですよ👍
そのメンデスさ感じた瞬間、全編ワンカットであることはもう二の次になっていました🤔

画面の光のコントラスト…
構図の端正さ…
抑えた色調の中に時おり差し込まれる強烈な色…
それらに、ただただ魅了されてしまうのです。



本当に最初から最後まで、完全に引き込まれましたよ😲
その間ずっと目に見えぬ敵に怯え…
傷が痛み…
4月の川に落ちた冷たさを【まるで私自身に起きていることのよう】に感じ続けたのですわ。
一寸先に何が起こるかわからず、常に緊張状態。
最後には感動の涙を流してしまう。

フラッシュバックも、余計な説明も何も無い。
その丸1日をとにかく主人公と一緒に体験させるという手法が、すばらしい効果を発揮してましたよ👍





メンデスも言っているとおり【生と死の分かれ目は偶然、運なのさ】と呼んでもいいほど微妙なもの。

これはヒーロー映画ではなく、最も極端に起こる状況を舞台にそのことを語る作品なのです。