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1917 命をかけた伝令のmilk0901のレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.9
「なんだこれは、何が起こってるんだ!?」
というのが公開初日の観賞後…

すごい、ずっと、緊張感が。
最初はその緊迫感を俳優たちの演技から、
撮影カメラの目線から感じてたんだけど、
それがメイクやセット照明音響、
はたまた戦争の非情さに至るまで
広がっていって、
とてもひとりじゃ抱え切れなかった。
情熱というか、
ひとりひとりのこの作品に込めた
「意思」みたいなものがひしひし、
痛いくらいに伝わって。
ずっと涙で顔が歪んじゃって、
もう後半は口があんぐり開いてた。

緊張の中にも美しい瞬間が散りばめられている。
桜の花、赤ん坊への子守唄、森の中の歌声

夜に、照明弾飛び交う廃墟の街を駆け抜けるシーン。
本当に本当に美しく、でも死がずっと追いかけてきて。澄んだような、逼迫したような、こんな感情が共存できるだなんて。
何十年後かに昔の映画でおすすめを聞かれたらこの作品を答えるな、と涙がぼろぼろ。
語り継ぎたい。

狭い塹壕の中をずっと撮り続けたり、
どうやって撮るんだろう?
理解が追いつかなくてパンフを買ってみたのだけれどもっとよく分からなくなった。
「長いシーンで数分も撮り続けた」
え、数分だけなのどことどこで分かれてるの!?(正直ブラックアウトのとこしか分かんなかった)
「カメラがワイヤーから手持ち、またワイヤーに戻す…」いや滑らかすぎてその変化が全然わからんし助けて

こんな調子だったけど唯一納得したのは
「舞台と映画、その2つの媒体を影響させ合いながら、独自の表現力を発揮している才人が、サムメンデスである」と。
彼は演劇界の寵児といわれていた。徹底して芝居の流れを大切にし、順撮りにこだわる。
なるほど、映画という範囲に収まらない表現力はここからかな、と。

公開前にすこしメイキングで観た、大尉を捜して前線を駆け抜けるシーン。
ずーっとトラックに乗ったカメラが戦場をスコと一緒に駆け抜ける。どんな映像になっているのかと思ったら、もう、もう。
スコが迫ってきているはずの画面を観ながら、共に駆け抜けたような感覚で。
思い出す度息が荒くなる。

エンドロールにWeather Adviserみたいなのが見えたんだけど、そんなんあるのかとびっくり。イギリスの空って難しいんだな。統一感を持たせる為に理想とした気候で撮影したかったんだと。

木の下で微睡む兵士たち、そしてまた木の下で家族を想うラスト。
これは、きっと人生を変えるレベルの経験だったと思う。絶対に、2回目を観るなー。


「はじまりへの旅」のお兄ちゃんとゲースロのトメンくんなだけで嬉しかった。
みんな大きくなっちゃって
とても尊い若手キャスティング。
ロブ兄ちゃんも出てきて歓喜。
ラニスターとスタークなのか…!


公開最終日にIMAXレーザーで二回め鑑賞
はー、やっぱ語り継がれるべき。
前回とは違うところで、感情移入で泣いた。
この先、何度観ても尊いんだろうなぁ
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