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1917 命をかけた伝令のAPのネタバレレビュー・内容・結末

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

僕の余計な期待がスコアを今の状態に留まらせたわけですが、馬鹿な先入観ありでも満足満足な作品でした。

"プライベート・ライアン"みたいに複数の人物に焦点があたり、銃撃戦をもっと多く繰り広げてくれる場面をもっと観たかったんです。銃撃戦の長回しなんてヤバすぎるでしょ、考えるだけでエンドルフィン分泌するわ☺️

ところがキャストは主にトム・ブレイクとウィリアム・スコフィールドの二人、期待した銃撃戦はほんの数分。まぁ映画は何も悪くないです本当に。

逆に逆に、数分見せてくれた二つの神シーン。あれを観るためにもう一度行ってもいいレベル。

その1、壊れた橋を渡っていたら廃屋から狙われたところ。映画中盤でついに始まった銃撃戦。1vs1なのにこの激しさ。スコちゃんのAIM力すごいすごい。命中させた後も数発発砲、戦場での立ち振る舞いがいちいちカッコいい。
というかみんなでワイワイ車押してた直後に一人ぼっちになって突然の銃声。この緩急がとにかく好み。

その2、飛び抜けた名シーン、月面が如く薄暗い廃墟でただひたすら逃げまくるところ。あれ何が起きとんの、意味不明。あのスピード感で常にスコフィールドを捉え続ける技。前から横から後ろから、全てが計算された画だと思うとなおさら訳分からんな。
映画スタッフまでいちいち覚えてる人間ではありませんがロジャー・ディーキンスだけはほんと覚える価値ありますわ。

あと廃墟が炎と照明弾で照らされる場面な、あれは確実に2020年ベストカット候補。皆さん言ってますが本当に美しい。

考え方を変えれば、銃撃戦の少なさのおかげでこれらのシーンが際立ったわけですし、何の文句もございません。

予告で何度も観たスコフィールドのラストラン。"M:I フォールアウト"やら"ロッキー"同様カッコよすぎて目頭が熱くなる。全力にやられる。

さらにこの映画の魅力、常に死と隣り合わせの状況、数ある映画の中でもその要素が極めて強い、超好み。"レヴェナント"並かそれ以上。

塹壕から出た瞬間から鳥肌立ったな…。隠れる場所がないとか無理すぎるし、ほんと自分なら何回死んでることやら。

何回考えても目が見えん状態でジャンプは無理、そこで死んでる。生き埋めになって死ぬ。溺れて死ぬ。謎の牛乳飲んで体調崩して死ぬ。ネズミに耳かじられて死ぬ。

トムはほんの一瞬油断して死んでしまったわけだよな…あの顔色が悪くなっていく感じすごい。そこから攻撃中止の伝令だけではなく、兄さんにトムのことを伝える任務も兼ねるわけで、一気にドラマ性が増した。

赤ちゃんとのやりとりも本当に素晴らしいシーンやったな、最後まで観るとなおさら思う。それもフランスの人、同盟国なのがなんかいい。

英国紳士の豪華共演。マーク・ストロングに関しては脚が映った時点で分かって笑ってしまった。

いやぁ、レーザーIMAXで間違いなし。むちゃくちゃ素晴らしい映画体験でございました。
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