ハッピーアイスクリーム

1917 命をかけた伝令のハッピーアイスクリームのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.3
第一次世界大戦真っ只中の1917年。若き2人のイギリス人兵士スコフィールドとブレイクにある任務が命じられる。それは進撃中の1600人の味方に作戦の中止命令を届けること。さらにその部隊にはブレイクの兄も含まれていた。一刻を争う事態の中、2人の危険で困難な任務が始まる。

一度きりの命に撮り直しはない

『アメリカン・ビューティー』のサム・メンデス監督が全編ワンカットのように見える"ワンシーンワンカット"で撮影した戦争映画。第92回アカデミー賞では撮影賞など3部門受賞。ゴールデングローブ賞ではドラマ部門の作品賞と監督賞に輝いた。

かつてこれ程まで主人公に密着した映画があっただろうか。主人公の一人称視点で描いた作品やPOVとも違う没入感。ノーランの『ダンケルク』よりも強烈でリアルな追体験。一瞬も目が離せないあっという間の2時間でした。
あまりにも撮影が良くでき過ぎていて、このシーンどうやって撮っているのだろうとか、どこまでが本物なんだろうとか余計な事を考えながら観てしまったのが悔やまれる。

ノンストップのスリリングなアクションが続くのかと思っていたのですが、ドラマパートもよく出来ていて、緩急の付け方が良かった。ミルクとサクラは印象深い。まさか後からそこにいれてくるとは。あの歌のシーンはなんだかすごく神秘的だった。

"家に帰りたくなかった
もう二度と戻ることはない覚悟だったから"

死んだらそこで終わり。その緊張感を描くのに、この全編ワンカットは最も効果的な方法だとは思う。
だけど、スクリーンの前で観てるだけの僕らには、実際にありえたであろう命がけのミッションに対して臨場感とかリアリティとか言うのはおこがましいのかなとも考えた。

今までに観たことも感じたこともない体験をできる戦争映画。全編圧巻です。