めんま

1917 命をかけた伝令のめんまのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
5.0
舞台は、第一次大戦最中のフランス。ドイツと連合軍とが互いに向かい撃つ中、2人のイギリス兵士が伝令を届ける為に任務を与えられる。

ワンカット撮影により、リアルタイムで彼らを観てるかのような映画体験は、なかなか見ることが出来ないものでしょう。希少な映画ですね。私も初めてでした。衝撃的です。

想像を絶する苦労、周到な準備・計画、何よりサムメンデス監督の執念がもたらした結果でしょう。どうやったらここまで違和感なく、完璧なまでに観客を臨場感を感じさせられるのか。監督の渾身の一作だと、身をもって感じました。

また脚本も素晴らしい。彼の祖父の話しを元にして、練って、作られたと言われる今作。

悔しいですが、すごすぎませんか。ここまで映画に入りこまされる、計算し尽くされた撮影技術、脚本、台詞など。ハンパじゃない。

ラストで泣かされた。

戦争で起こった死と殺、恐怖、悲しみ、飢餓、廃墟、わずかな希望、家族愛、仲間愛、緊迫感、それらその瞬間の感情を感じ取れるのが、他の映画との差異であり、明確な差別化が図れている今作。映画館で見る価値がある作品ですね。

どれだけ砲撃が止んでも、戦争なのだから、油断や気を抜く瞬間なんてものは兵士にはなかった。

この時代、生きていたら、なにを思っていたのだろうか。呑気に、生きる、死ぬなんてこと考えてる暇などなかっただろう。

私が007のファンのきっかけになったスカイフォール、そしてスペクターの監督ですが、これらの作品も素晴らしく、期待以上に仕上げてくれました。

ちなみにアカデミー賞は、残念でしたね。
でもこの作品の価値が下がるわけでも、この作品が至らないわけでもない。これだけ凄まじい作品に作り上げて、粗探しする方が難しい。

ただ、作品賞としての受賞基準に相応しいかで合致しなかっただけで、素晴らしい作品には変わりありません。

針の穴に糸を通すよりも難しい作品賞のオスカーなので、そこにノミネートされてるだけでもすごくて、今この時代に生きてることに感謝したいですね。
めんま

めんま