あかの

1917 命をかけた伝令のあかののレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
3.8
ダンケルクというよりかはプライベート・ライアンに近いと思った。
ダンケルクが箱の中に放り込まれ逃げ惑うイメージだったのに対し、1917は始点から終点へと向かって真っ直ぐに進んで行く感じで、個人的に、映像から受ける視覚的戦場体感度は1917の方が高かったが、感情面での体感度はダンケルクの方が上だった。
1917は、仲間を救うというヒロイックな目的がある分、主人公が主人公然としている為、主人公に寄り添ったときに、意味のある物語が1本の流れとしてそこに存在をする。
方や、ダンケルクは、反射的な判断でただ生き抜く、その連続で、主人公と周囲のモブ兵達との間に差違は無く、主人公に寄り添ったときに味わうのは、無意味かつ理不尽に命を落とす名も無き兵士の気分だ。
結果、戦場の怖さをより芯から感じたのは、1917よりもダンケルクの方だった。
1917は、戦場の怖さよりも美しさに目を奪われてしまった部分も多かった。特に、夜のシーン、荘厳ですらある風景に、息を飲んだ。
主人公の仲間として一緒に任務に当たっているかの如く感じさせるカメラワークと、ワンカット風の撮影編集方法のお陰で、まるで大作RPGの美しく作り込まれたフィールドマップを走るゲームプレイヤーになったかのよう、1917を観終わった後に真っ先に浮かんだ感想は、それだった。
あかの

あかの