ピッツア橋本

1917 命をかけた伝令のピッツア橋本のレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.7
"これが音響編集賞じゃなくて録音賞たる所以だ!"

ドイツ軍の騙し討ちトラップを最前線の自軍に伝えるためにたった2人のイギリス兵士が難所を潜り抜けながら攻撃中止命令を伝えにいく戦争ドラマ。
いや、アクションホラーと言っていい。

売りの全編ワンカット撮影演出がすごく効いていて、何事も重くモタつきがちになる戦争映画にしては各シーンの継ぎ目やテンポキープが素晴らしい。

特に音が良くて、BGMに頼り過ぎない爆音や銃声の迫力や厚が館内に轟く。
もはや脅かし系ホラー映画。それだけ抑揚の付け方が自然なんだろうな。

戦地のビジュアルの描き方も新鮮。車や密林よりも防空壕伝いに進んでいくのが特徴的。そこから覗く地平線の映り方が他の映画と違く感じた。
突発的に起こるバトルシーンも本気で驚く。

撮影の特性上、造詣はリアルだけど距離感の取り方が特殊で、どこかミュージカル映画チックな"舞台感"が漂う。

戦争映画が苦手な人ほどおススメです。

あと余談だけど『パラサイト』という天変地異レベルのハリケーンが無ければ、本作がアカデミー作品賞獲ってたんじゃないかなって気もした。
それくらい今回のアカデミー賞って豊かだったんだなあってつくづく思う。眼福です。
ピッツア橋本

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